歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



収納した内容をメモにしておくと便利です。小物類は箱などに入れておくと、そのまま取り出してきものに合うか確認することができます。
特別な1本やしばらく使わない帯締は、房を薄紙やセロハンで包んでおきます。
京コレクション」では、一枚のきものを「所有する」のではなく、たくさんのきものからシチュエーションに合わせて1点を選ぶ「レンタル」を楽しむことができます。
 

 布が貴重だった江戸時代の人々は、きものを少しでも長く使う工夫をしていました。便利なものが溢れている現代であっても、ものを大切に扱う心を持ち続けたいものです。きものに付随するたくさんの小物にもきもの同様に、きめ細やかな心配りが必要です。

○ 小物のお手入れについて
 半衿はできるだけ早くはずして洗うようにします。汗じみのままでしまっておくと黄ばんで落ちにくくなります。絹の半衿や足袋などは中性洗剤か化粧石鹸で洗い、丁寧にすすいで乾かすと綺麗に仕上がります。
 絞りの帯揚は、ドライクリーニングに出し、しまう時には上に重いものをのせないようにします。帯締は房の部分を蒸気できれいに整えておき、しばらく使わない場合には薄紙をまいておきます。
 皮草履やバッグは、ほこりを払って汚れを拭き取り、乾燥させてから一つずつ箱に入れます。草履は、鼻緒の間に汚れがたまると白い足袋を汚してしまうので、念入りに拭きます。

○ アイロンについて
 アイロンは、シワをのばす他に殺虫の効果もあります。アイロンをかける時は、かけたい生地の性質を知り、適した温度・湿度でかけます。絹物など風合いをそこねやすい生地には、必ずあて布を用意します。特に、絞りや金銀糸箔は縮みやすく傷みやすいので注意が必要です。

○ 収納について
 きものや小物などを整理、収納する場合には、種類別・材質別・季節別などに分類しておくと便利です。最も理想的なのは桐だんすですが、通常の整理たんすでも湿気や虫害に気をつければ、充分に活用できます。またスペースを確保できない場所では、紙やプラスチックでできた衣裳箱を活用すると便利です。衣裳箱は、デパートや家具店で購入することができます。選ぶ際は、きものが3枚くらい入る浅めの箱の方がきものにしわがつきにくく、扱いやすいようです。湿気を帯びやすいので、乾燥剤と防虫剤を必ず入れるようにして下さい。

長沼静きもの学院

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