歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



●古典柄のダイヤに、ピンクとベージュの色の組み合わせが可愛らしい帯締。オフホワイトのストールで一層優しい印象に。
●うすい藤色にゴールドが編みこまれたやわらかな印象の帯揚には暖かなベージュのストールを。
●れんが色をベースにグレーとゴールドを二重に組んだフォーマル感のある帯揚。黒とえんじのストールでシックな装いに。
●フォーマル感漂う印伝のバッグとエナメルの草履。鼻緒の粋な文様がアクセントに。
●カジュアルな小紋にぴったりのバッグ。光沢感のあるクリーム色の草履は足元を華やかに見せてくれます。
 

 寒い日のお出かけには、コートの上にさらに何か羽織りものが必要です。ここでは、防寒の実用品としてだけでなく、冬の装いに彩りを与えてくれるショール使いをご紹介します。

 ショールやストールは洋装用を和装に使うこともできますが、選ぶときには色や柄の調和に注意しましょう。ショールはコートと同様に道中着の一部と考えられていて、特に決まりごとはありませんが、やはり着ているきものの格や訪れる場所によって素材や柄などを吟味することは必要です。落ち着いた色合いの縮緬地のショールは重みのある絹地がしっとりと肩になじみ、格調高い場所にもぴったりです。

 肩に掛けるだけのショールだからこそ、その羽織り方で装いに差が出ます。車内の暖房が効いているときなら、ショールを後ろ衿の外側に添わせておいて、前身ごろへ自然に打ち合わせます。女性のきものは衿を抜きかげんにして着ることが多いので、特に寒い日には首と後ろ衿の隙間を埋めるように使います。

 ショールを肩に掛ける時は、後ろ手にショールを持ち、片方をまず肩にかけ、次にもう片方を肩にのせ、そして両手とともに前で打ち合わせるようにするとスマートです。お暇する時に玄関でコートを勧められて着ることはあっても、ショールは外に出てから掛けるようにしましょう。

長沼静きもの学院

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