歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



 「この指輪、父が母に贈った婚約指輪だったんです。私が成人式を迎えるときに両親からプレゼントされました。だから、私にとってこの指輪は特別なものなんですよ。」と話してくださった滝波さん。

 「両親の想いが込められた大切な指輪なので、きものの装いでもこの指輪をつけるときはそれにふさわしい訪問着を選ぶようにしています。小紋のときは、指輪ももっとカジュアルなものを選びます。」と話されるように、普段からこの指輪をメインに装いを考えることも多いそうです。

 きもの姿でお出かけする際、指輪などのアクセサリー類を身につけるなら、やはり装いに合わせた素材を選びたいものです。宝石類の中でも翡翠(ひすい)や珊瑚といったものは、江戸時代からかんざしや帯留にも使われており、きものの装いとも相性が良い宝石です。また、イヤリングやピアスなどは、格式のある場所では避けた方が無難でしょう。つける場合には控えめなものを選ぶと、全体のバランスを損ないません。

 また、洋服ときものの装いでは髪型やメイクにも変化をつけて楽しみたいものです。滝波さんのヘアメイクは、洋服のときには軽やかな巻髪に控えめなアイシャドウで柔らかな春の雰囲気を感じさせるスタイルに。きものの装いには、すっきりとしたアップスタイルをエレガントにまとめました。トップと後頭部に丸みを持たせることでやわらかなきものの雰囲気に調和させています。
メイクはグリーンのアイシャドウで若々しい可愛らしさを加えました。

 

 

ご両親から贈られたパールの指輪。パールの上品な輝きと愛らしいデザインが手元をより美しく見せてくれます。

きものを装う際は、口紅を引く前にリップライナーなどで輪郭をきっちり取ってあげるときちんとした印象が生まれます。

長沼静きもの学院

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