歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



食事の際などは、懐紙入れから3?5枚ほど取り出し、胸元に入れておくと使いやすいでしょう。

今では帯にさすのが一般的ですが、挨拶の時には、手に持つのが正式な使い方です。
「きものの端切れで小物をつくると、そのきものを着なくなっても想い出が残るのでいいですよ」とお話してくださったのは、今回マナーについて教えてくださった長沼静きもの学院・上大岡校の町田教室長。写真の足袋入れも町田教室長のお手製です。
 きもので外出する際に、ぜひ用意しておきたい小物もあります。たとえば、懐紙や替え足袋。食事の際に懐紙があれば、受け皿代わりに使ったり、口元を拭いたりと、何かと重宝しますし、替え足袋を持っていれば、万が一足袋が汚れても、汚れた足袋のまま晴れの席へ…なんていう不調法をせずにすむので安心です。
なお、そうした小物は、直接バッグに入れるのではなく、懐紙入れ、懐紙挟みや足袋入れなどに入れて持参しましょう。専用のケースがなければ、小風呂敷などを利用してもよいでしょう。


 お茶席や和装での食事の席で用いる懐紙は、「懐紙入れ(懐紙挟み)」に包んで持参しましょう。布製のものや和紙のタイプなど色々あり、色や柄も豊富に揃っているので、きものや季節、行き先に合わせて選ぶ楽しさも味わえます。


 小ぶりの扇子「末広」は、お祝いの席での礼装には欠かせない持ちものです。訪問着や色無地などには必ずしも必要ではありませんが、持っていると改まった雰囲気が加わります。黒留袖には黒の末広を、その他のきものには色ものを合わせましょう。式場などでお世話になった方に心づけやお礼を渡す際、広げた末広の上に金封を乗せて用いていたもの。


 白足袋は汚れが目立ちやすいので、万が一に備え、替えの足袋をバッグにしのばせておきましょう。持参する足袋はそのままバッグに入れるのではなく、「足袋入れ」などを用いるとスマートです。市販のものもありますが、きものの端切れや古くなった帯を用いて自分で作るのもおすすめです。

 
 
お祝いごとやお悔やみごとの際に持参する金封は、むき出しでカバンに入れたりせず、袱紗に包んで持参しましょう。ここでは、「台付袱紗」を例に、基本の包み方をご紹介します。

袱紗を広げ、台の上に祝儀袋の表書きを上にして置き、袱紗の中央に置きます。左側、上側、下側の順にたたみ、最後に右側を折り重ねます。余った部分は裏側に織り込み、四方をきれいに仕上げれば完成です。
最近では、金封を入れるところが袋状になった「金封袱紗(はさみ袱紗)」も。出し入れが簡単で、袱紗に慣れていない人でも手軽に使うことができます。

長沼静きもの学院

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