歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



絽には、お太鼓
あつらえたばかりの絽の訪問着に、絽綴れの帯を合わせてお召しになった鈴木知子さん。帯締め、帯揚げを白に。

 

ゆかたの変わり結び1(八重朝顔)
ゆかた帯の定番、半幅帯の倍ほど幅のある薄い帯を使って仕上げた変わり結び。薄く、軽いゆかた帯があると、様々なアレンジが楽しめます。

 

ゆかたの変わり結び2(片流し)
文庫結びをアレンジした片流しです。そこにさらにひと工夫加えたら、こんなに華やかな帯結びになりました。ポイントになるのは2枚目の写真の親指の部分。帯が交差して三角形になっているところを、ぎゅっと押さえ、背中心がずれないよう注意します。

 
 

帯結びを楽しむためには土台をしっかり
 絽や紗、麻に木綿と、織や素材も涼やかな夏きものですが、帯も絽綴れからゆかたに用いられる兵児帯(へこおび)まで、見ているだけでも楽しいアイテムがたくさん。

 帯結びを楽しむためには、土台であるきものの着付をしっかりしておくことが大事。夏きものは素材が薄いので、ほかの季節のきものよりも体の線が目立ちやすく、着付途中の処理のよしあしが仕上がりに影響しやすいと心得て、一つひとつを丁寧に仕上げていきましょう。下着を着るときからシワを作らないように気を配り、補整をしっかり行います。

結ぶ楽しみはきものの格に合わせて
 ゆかたは帯も薄く、軽やかな素材が多いので、さまざまな結び方が楽しめます。文庫や貝の口などの基本形も、たれの長さを変えたり、広げたりといった少しのアレンジで、見た目にも楽しい飾り結びになります。そのときの気分やシチュエーションに合わせ、素敵な「結ぶ」を考えてみましょう。

 モデルの岩﨑さんも、自分の後ろ姿に咲いたあでやかな朝顔結びにびっくり。「ぜひ、自分でもチャレンジしてみたいと思います」とますます夏が楽しみになった様子。一方、同じ夏きものでも、格のあるきものの場合は帯結びも格を忘れないようにします。訪問着ならば端正なお太鼓結びに仕上げましょう。

夕涼みにぴったりのゆかた姿。ゆかたには夏が旬のきゅうりの葉と実、カッパがあしらわれています。珍しい柄は夕涼みにぴったりで粋。

絽の訪問着は淡い鷺色。絽綴の帯、小物も白と淡い色で組み合わせました。夏はあまり色数を多くせず、全体を一つのトーンでまとめたほうが涼しげです。

長沼静きもの学院

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