歌舞伎いろは

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67年ぶりの復活上演
昨年は『本朝廿四孝』の通称「筍掘り」を上演
昨年は『本朝廿四孝』の通称「筍掘り」を上演

 「太夫振舞」という神事によって決定された今年の黒森歌舞伎の演目は昭和14年以来の上演となる『尼子十勇士二度目誉』。候補には『源平布引滝』『近江源氏先陣館』というお馴染みの作品も上がっていたという。伝承された演目は50以上に及ぶ。

 「昔の狂言を掘り起こし、ここでなければできないようなものでなければ」と語るのは、副座長で脚本制作に携わる佐藤直一さん。67年前の舞台で昭和2年生まれの佐藤さんは、山中鹿之助と闘う若衆姿のかわうその妖怪役で出演したという。佐藤さんのように子供のころから舞台に立っている人も少なくない。俳優部に所属する若手の笹本敬さんもそのひとりだ。

 

 黒森歌舞伎は、俳優、浄瑠璃、お囃子、衣裳、床山、大道具、小道具の7部門で組織される50名ほどの「妻堂連中」で自主運営されている。「保存会や公金助成に頼らずやっているのは全国でも珍しいようです」と、もうひとりの副座長・冨樫久一さん。

昨年の舞台。慈悲蔵(笹本敬)、横蔵(松本貴史)
昨年の舞台。慈悲蔵(笹本敬)、横蔵(松本貴史)

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