歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



鮮やかな紅色は息を呑む美しさ。

紅花と織物が結びついて生まれた名産品

 米沢の織物で、今、最も人気が高いのは、紅花染の紬ではないだろうか。紅花と織物、二つの米沢の名産品が融合して生まれた紅花染の紬だが、意外にも歴史は浅い。紅花の生産は古くから行われていたが、それは染色材料として他県へ送るものであったし、米沢織は本来男物の袴地が主たるものだった。この二つが結びついて米沢の紅花染が誕生したのは、着物の主力購買者が圧倒的に女性に傾き、今までの米沢織とは違う、美しい色や優しい風合いが求められるようになったことと、関係があるようだ。

 そんな時代の流れの中で、米沢の紅花染めの第一人者・新田秀次さんが研究に着手したのは、昭和38年のこと。染料の抽出の仕方や温度、色の安定方法など、さまざまな試行錯誤を繰り返しながら、新田さんは夫婦で研究を重ね、伝統工芸展などで美しい紅色の着物を発表。“米沢の紅花染”を世に知らしめてきた。秀次さんのご子息であり、その研究を受け継ぐ英行さんが工房を受け継ぎ、紅花をはじめとした草木染の反物の生産に励む。

株式会社 新田

住所

 : 

山形県米沢市松が岬2-3-36

TEL

 : 

0238-23-7717

定休日

 : 

土・日・祝祭日

HP

 : 

http://www3.omn.ne.jp/?nitta/

※工場見学は要電話予約


「紅花染の美しさを多くの人に広めたい」と、新田さんは自宅の一部を公開。紅花染の工程を見学できる。(※要予約)

紅花染研究者・新田英行さん。大正時代に建てられた新田家の家屋や庭に、米沢の織り元の暮らしの歴史も垣間見える。

歌舞伎と旅

バックナンバー