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南座「南座特別公演」初日開幕

 

 2026年6月5日(金)、南座で「南座特別公演」の初日が開幕しました。

【舞台写真は、ページ下部でご覧いただけます】

 今月の「南座特別公演」では、坂東玉三郎が幻想的で非日常感漂うひとときを皆さまにお届けします。幕開きの『口上』では玉三郎がお客様に向けて、初日を無事に迎えられた喜びを口にします。「舞台に立つ人間が、技芸をご覧にいれるのはもちろんですが、それ以上に、お客様には劇場という空間で、現実をお忘れいただくことが、演者のつとめだと思う次第にございます」と、真っすぐな眼差しで語りました。

 

 続いて上演されたのは、『秋の色種』です。本作は江戸末期の弘化2(1845)年12月に初演された名曲で、長唄が歌舞伎から独立して演奏曲としてのジャンルを確立した作品ともいわれています。秋の草花が咲き乱れるなかで物思いに耽る、洗練された情趣にあふれる舞台面。玉三郎は、一門の弟子の玉朗、玉御とともに三人の美しく息の合った踊りで、客席に秋の柔らかな感覚を届けました。

 

 最後を飾るのは、『時雨西行』。高名な歌人である西行法師が、江口の里で時雨にあい、一夜の宿を求めた家の遊女に普賢菩薩の姿をみるという、優雅な情趣にあふれる舞踊です。玉三郎が江口の君を演じるのは、平成9(1997)年以来となります。西行法師を勤めるのは、今回振付も担う花柳壽輔。演出面でも話し合いを重ねて現代に合わせた工夫を凝らしたという舞台では、遊女である江口の君が普賢菩薩になり、柔らかな光のなか現れる美しい演出で、客席を荘厳な雰囲気で包み込みます。しっとりとした風情と、隙間のない名曲の調べが響き渡る圧巻のひと幕に、客席からは割れんばかりの拍手が送られました。

  南座「南座特別公演」は、17日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。 

 

南座「南座特別公演」初日開幕『口上』坂東玉三郎

『秋の七草』左より、坂東玉御、坂東玉三郎、坂東玉朗

『時雨西行』左より、坂東玉三郎、花柳壽輔

2026/06/11