尾上右近「第一回 研の會」舞台レポート

『吉野山』市川猿之助、尾上右近

 『義経千本桜』「吉野山」 市川猿之助、尾上右近

『吉野山』尾上右近

 『義経千本桜』「吉野山」 尾上右近

 

 8月22日(土)・23日(日)、国立劇場小劇場で、尾上右近の自主公演 「第一回 研の會」が開かれました。

 右近が自身の勉強の場として初めて開いた「研の會」は、猿之助の静御前とともに佐藤四郎兵衛忠信を踊った『吉野山』、小姓弥生/獅子の精を踊った新歌舞伎十八番の内『春興鏡獅子』が披露されました。

 『吉野山』には清元に父の延寿太夫、兄の昂洋も出演し、戦物語も竹本との掛け合いではなく清元で見せました。また、『鏡獅子』では御前に引き出されてはにかみながら踊り出す弥生の可憐さと、後ジテでは獣眉を引いて勢いのある獅子の狂いを見せ、場内は大きな拍手に包まれました。

 2日間3公演はいずれも盛況で、千穐楽の幕が下りても鳴りやまない拍手に、再び登場した右近は、ご来場への感謝の言葉を述べました。そして、特別出演の猿之助は自主公演の先輩として、右近が今回、周囲の温かい協力に恵まれて会が開けたことを喜び、「右近という船は大海に漕ぎ出したばかりです。どうぞ、皆様がこの船に風を送ってください」と、お客様へ呼びかけました。

『春興鏡獅子』尾上右近

 新歌舞伎十八番の内『春興鏡獅子』尾上右近

『春興鏡獅子』尾上右近
2015/08/25