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渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

 

 

 6月6日(月)に開幕する渋谷・コクーン歌舞伎 第十五弾『四谷怪談』の出演者、中村扇雀、中村獅童、中村勘九郎、中村七之助、中村亀蔵、笹野高史、首藤康之が、初日を前に公演への意気込みを語りました。

渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

 「『四谷怪談』の全部がみどころです」と、開口一番に断言した扇雀。「全体で3時間ちょっとにまとめたコンパクトな『四谷怪談』。ですから、疲れずにあっという間にご覧いただけて、わかりやすいものになっています」。新たな演出としては、「稽古の現場で、串田和美監督が脳内を広げていくので、伊右衛門さんの頭の中を見るような場面が出てきます。特に、最後のところは、歌舞伎では舞踊で表現されますが、伊右衛門が何を考えているのかがビジュアルとして表れます」と、期待させます。

 

渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

 初役で伊右衛門に挑戦する獅童は、コクーン歌舞伎3度目の『四谷怪談』ながら、「作品自体、まったく新しいものになっていますので、とにかく皆さんに楽しんでいただけるように勤めます。新演出も見逃せないので楽しんでください」とアピール。

 

渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

 勘九郎は、伊右衛門に比べて「直助権兵衛という役は、“ちょい悪”くらい」と笑わせ、「串田監督がテーマにしているのは“記憶”だと思っています。伊右衛門の脳内の迷宮に迷い込んでいただければと思っています」。コクーン歌舞伎の3度目の『四谷怪談』ですが、勘九郎は初参加、「思い出の詰まった」作品に挑みます。

 

渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

 七之助は10年前もコクーン歌舞伎でお袖を勤めました。「父の直助で、父と初めて恋人、女房になる役だったのですが、舞台上でもお客様からは見えない屏風の裏側や、家に帰ってからも、こてんぱんにされ、追い詰められた思い出が懐かしい」と語り、今回はリベンジをと意気込みました。

 

渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

 亀蔵の宅悦も、10年前の[南番]で演じた役。「今回はそのときの[北番]に近い演出ですが、自分にとってはとてもわかりにくく、大変です。千穐楽までに到達したい」と、さらに役を深めようとする姿勢を見せました。

 

渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

 笹野は、「10年前よりわかりやすく、かつ、アートになっています。感性の鋭い人は面白いと言ってくださるでしょう」と語り、『四谷怪談』というとどうしても十八世勘三郎を思い出さずにはいられないと続けました。「この場面でこうだった、そうだった、と懐かしく思い出します。この作品は私の琴線に触れる、思い出の一場面をひも解いてくれる、とても好きなコクーン歌舞伎です」。

 

渋谷・コクーン歌舞伎『四谷怪談』開幕を前に

 コクーン歌舞伎初登場というより、歌舞伎の舞台に初めて立つのが、バレエダンサーの首藤です。演じるのは小汐田又之丞で、「足腰に病を持った塩谷浪人の武士の役です」と驚かせ、一歩も動かない役を勤めるストレスはと問われ、「新鮮です」と、緊張の面持ちで答えた首藤。「素晴らしい役者さんのなかで演じられることに今回、とても緊張しています」と、初日を前にいい緊張感を保っている様子を見せました。

 渋谷・コクーン歌舞伎 第十五弾『四谷怪談』は、6月6日(月)から29日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹Bunkamuraほかで販売中です。当日券の詳細は公演情報の料金欄をご覧ください。

2016/06/06