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大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」初芝居の幕が開く
1月2日(水)、大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」が初日の幕を開けました。
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年初恒例の「壽初春大歌舞伎」が、今年も大阪道頓堀で始まり、初日から大勢のお客様が足を運び、賑々しい開幕となりました。
劇場ロビーには、米寿を迎えた坂田藤十郎のこれまでの活躍を振り返る展示パネルが設置されています。貴重な初舞台の写真や、懐かしい扇雀ブームの頃の写真などが、ずらりと飾られています。さっそく開演前にシャッターを切られるお客様もいらっしゃり、いつにも増して、明るく楽しげな雰囲気がロビーを包んでいます。
“成駒家”祭りの昼の部
昼の部最初の演目は、玩辞楼十二曲の内『土屋主税(つちやちから)』。扇雀が土屋主税を演じます。赤穂浪士の討入りがかない、新年にふさわしい、すがすがしい幕開きとなりました。
「あらたまの 春を寿ぐ難波津に 咲きも咲いたる花舞台 俳優集う己亥 祝う姿や 舞の袖」と、めでたい長唄で始まったのは、坂田藤十郎米寿記念『寿栄藤末廣(さかえことほぐふじのすえひろ)』。 幕が開くと、満開の梅の花が描かれた、息をのむほどの華やかな舞台が現れます。藤十郎、鴈治郎、扇雀、壱太郎、虎之介の三世代が絵面の美しさでそろうと、「山城屋!」「成駒家!」と、次々に声がかかりました。
昼の部の切は、ついに治兵衛を鴈治郎として大阪で勤めることがかなった、玩辞楼十二曲の内『河庄(かわしょう)』。頬かむりの鴈治郎が、花道に出てくると、客席からは「待ってました!」と、拍手が鳴り響きました。
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夜の部は大阪松竹座で初上演の『金門五三桐』
昭和42(1967)年に、市川猿翁が「第二回春秋会」が復活上演し、三代猿之助四十八撰の一つに数えられる、『金門五三桐』。現在は『楼門五三桐』として「山門」のひと幕だけ上演することが多い演目を、大阪松竹座で通し上演するのは、今回が初めてです。
早川高景を演じる彌十郎が、お正月ならではの口上を述べ、いよいよ物語が始まります。愛之助の此村大炊之助が、実は宋蘇卿であると明かし、扇雀の白鷹の精と踊る場面では、遺言をしたためようとする宋蘇卿の動きと、白鷹の精による小気味よい踊りがテンポよく繰り広げられます。
愛之助のもうひと役は、石川五右衛門。大詰の葛籠抜けの宙乗りでは、「葛籠背負ったがおかしいか」とお待ちかねのせりふに、客席からは「松嶋屋!」と声がかかり、歓声と拍手が沸き起こりました。さらに、捕手との大立廻りでは、花道から客席2階に梯子をかけ、2階のお客様の目の前に愛之助の勤める五右衛門が登場し、迫力満点。最後は鴈治郎の真柴久吉に向かって、いつの日かの決戦を誓い、華々しい打ち出しとなりました。
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大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」は1月26日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。