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【上演時間掲載】「坂東玉三郎 京丹後特別舞踊公演」のお知らせ
5月11日(土)・12日(日)、京都府丹後文化会館で「坂東玉三郎 京丹後特別舞踊公演」が行われます。玉三郎が公演に向けての思いを語りました。
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ちりめんの名産地、京丹後で4年目となる玉三郎の特別舞踊公演。お楽しみのご当地お目見得「口上」に続き、地唄の『雪』『鉤簾の戸(こすのと)』『黒髪』『由縁の月(ゆかりのつき)』を、「すべてちりめんの衣裳で」踊ります。「いいものを染めるには時間がかかりますから、公演が決まったところで丹後から白生地を送ってもらっており、どの演目にどのちりめんを染めるかは決めてあります」と、すでに準備も着々と進んでいます。
丹後ちりめんで新たに公演のための衣裳を
初めてご当地の丹後ちりめんで衣裳をつくったのは、昨年の公演の『雪』でした。「貫目(生地の厚み、重み)の出るちりめんって、今はなかなかできないのですが、無理を言ってつくってもらいました」。雪の白さが丹後ちりめんの白生地をイメージさせます。『鉤簾の戸』はもともとちりめんに墨絵の柄の衣裳でしたが、これも新たに丹後ちりめんでつくります。
『黒髪』は、これまで『廓文章』の夕霧の衣裳で見せたこともありましたが、今回は「『桜姫東文章』の庵室で、桜姫が髪をきれいになで下ろすところにも使う曲なので、それをヒントに」、もともと刺繍の衣裳でちりめんにしにくい姫のものを、丹後ちりめんでつくります。「鏑木清方先生の『桜姫』の画を手本に、染物に箔置きなのか少し刺繍をするのか考えております」。『由縁の月』の打掛も「箔置き、繻子(しゅす)でちりめんにしにくいものですが」、同様に丹後ちりめんの衣裳で踊ります。
綸子(りんず)や繻子に刺繍をした衣裳など、「生地が少し光ったり、はりがあったほうが、大きな舞台のためにはいいんでしょうけれど、ちょうど劇場が小さめですので、(今回のちりめんの衣裳のほうが)あまり衣裳らしくない、江戸の人たちが実際に着ていたような味がでるのでは」、と玉三郎。会場となる京丹後文化会館に合った衣裳で、しっとり感もあると思うと語りました。
地唄の音楽で踊る玉三郎の踊り
上方舞、座敷舞と呼ばれることもある地唄舞。『雪』は、「武原はんさんが歌舞伎座のしつらえに合う衣裳、装置をお考えになって、関東で踊れるものにされた」という流れがあると言います。座敷ではなく、劇場の舞台で玉三郎が見せる地唄舞は、「その意図からして違っていますし、振りも本当の(地唄舞の流儀である)井上流、山村流ではないですから、地唄の音楽で踊る歌舞伎役者の踊り、でございます」。
「私は自分勝手で、体の中に流れない踊りは踊ったことがありません。芝居もそう。気に染まないものはしてきませんでした。ですから、お客様に来ていただいて好きなものを演じられることがありがたい。そのぶん、きちんとやらなければとやってまいりました」。織物屋で糸や柄を決めながらどの役に合うだろうと思いを巡らせたり、古い衣裳を手立てを探りながら復元させたり、「歌舞伎役者の務めでもあり、趣味でもある。勤勉なのか楽しんでいるのかわかりません」。丹後ちりめんとの出会いも「私の楽しみであり、衣裳を使う人間としての思い」が重なっています。
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2020年が丹後ちりめん創業300年。地場産業のちりめんに加え、「自然が豊富、歴史も深く、食べ物もおいしい」と、京丹後の魅力を挙げた公演実行委員会の田茂井勇人さん。そこに公演の魅力が加わります。緑美しい5月の京丹後へ、ぜひ足をお運びください。
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坂東玉三郎 京丹後特別舞踊公演
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一、お目見得 口上(こうじょう)
二、雪(ゆき)
三、鉤簾の戸(こすのと)
四、黒髪(くろかみ)
五、由縁の月(ゆかりのつき)
出演:坂東玉三郎
■日時
2019年5月11日(土)・12日(日)
13:30開演(13:00開場)
一、 口上 | 13:30-13:45 |
<幕間 | 20分> |
二、雪 | 14:05-14:20 |
<幕間 |
15分> |
三、鉤簾の戸 | 14:35-14:45 |
<幕間 |
15分> |
四、黒髪 | 15:00-15:08 |
<幕間 | 15分> |
五、由縁の月 | 15:23-15:35 |
※5月10日現在の予定。上演時間は変更になる場合があります。
■場所
京都府京丹後市峰山町杉谷1030
(京都丹後鉄道峰山駅下車、徒歩5分)
■チケット
SS席:18,000円 S席:16,000円 補助席A席:12,000円(すべて税込)
2019年2月27日(水)10:00発売
※チケットホン松竹ではお取扱いがありません。チケットWeb松竹のみでの販売です。
※会場にチケットWeb松竹予約の切符引取機は設置されません。事前にチケットをお引取りのうえご来場ください。
その他、近隣地域のプレイガイドでもお取扱いあり(チラシ裏面をご覧ください)。
■お問い合わせ
坂東玉三郎京丹後公演実行委員会(公演事務局) 0772-62-5200(平日9:00~17:00)
海の京都DMO(観光案内) 0772-68-1355(平日9:00~17:00)