ニュース
シネマ歌舞伎『鷺娘』21日よりサウンドリマスター版上映開始

[チラシを拡大する]
6月21日(金)から7月4日(木)まで、東劇ほか全国の映画館で、準新作シネマ歌舞伎『鷺娘/日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』が公開されます。
▼
6月《月イチ歌舞伎》は、『鷺娘』と『日高川入相花王』の2本立てです。『鷺娘』は平成18(2006)年にシネマ歌舞伎で公開したものに、坂東玉三郎監修のもと、最新技術を駆使した補正と調整が加えられたサウンドリマスター版として、今回、初めて映画館で公開されます。
女方の魅力が詰まった演目である『鷺娘』。玉三郎はこれまで、昭和59(1984)年に「メトロポリタン・オペラハウス100周年記念ガラコンサート」で上演するなど、国内外問わず、数多くの場所で『鷺娘』を披露してきました。しかし、数十キロにも及ぶ衣裳と鬘を着けて踊り続け、体力を要する作品であるため、平成21(2009)年の上演を最後に、全編を踊ることはないと明言しています。もう二度と観ることができない舞台が、シネマ歌舞伎としてよみがえる貴重な機会です。

▲ シネマ歌舞伎『鷺娘』 坂東玉三郎
公開を前に、玉三郎と親交のある世界的アーティスト二人からコメントが寄せられました。アメリカン・バレエ・シアターでプリンシパル・芸術監督を務めた、現代の最も偉大なダンサーの一人と称されるミハイル・バリシニコフ、そしてパリ・オペラ座や英国ロイヤル・バレエ団などで活躍した、世界最高峰のバレリーナ、シルヴィ・ギエムからの、『鷺娘』の「美」に言及したメッセージを、ぜひお読みください。
ミハイル・バリシニコフのコメント
美が、完璧な人間という器を得ることはまずない。坂東玉三郎の『鷺娘』を除いては。
彼のパフォーマンスでは、優雅さ、テクニック、ビジョン、そしてドラマがその不滅の肉体において一つになっている。
すべての瞬間は感情に満ちあふれ――時に抑制され、時に解放され――、
しかしながら常に、この現代最高峰の女方の圧倒的なコントロールのもとにおかれている。
シルヴィ・ギエムのコメント
『鷺娘』を観た日、一緒に鑑賞した姪にこう言った。
「今まさに、“美”を観たのよ」。
人生には、真に純粋な感情に衝撃を受け、自分が永遠に変えられてしまう瞬間がある。
この舞台はそんな瞬間だった。
▼

▲ シネマ歌舞伎『日高川入相花王』 左より、尾上菊之助、坂東玉三郎
6月シネマ歌舞伎『鷺娘/日高川入相花王』は、6月21日(金)から7月4日(木)まで、2週間限定の上映ですので、この機会をぜひお見逃しなく、お楽しみください。