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玉三郎が語る、八千代座「坂東玉三郎 映像×舞踊公演」

玉三郎が語る、八千代座「坂東玉三郎 映像×舞踊公演」

 10月30日(水)~11月4日(月・休)、八千代座で「坂東玉三郎 映像×舞踊公演」が開催されます。出演の坂東玉三郎が公演について語りました。

 

3度目の「映像×舞踊公演」

 平成29(2017)年に初めて開催された「映像×舞踊公演」で披露した『鷺娘』。「地元の方々と相談しましたら、『鷺娘』をやっぱり観たいということで、それなら目新しく、『楊貴妃』を付け加えたらどうかということになりました」と、玉三郎は話し始めました。

 

 「(全編は)どこでも踊らないと決めております。そのため、映像だけということで」と、今では滅多に観ることができない玉三郎の『鷺娘』を楽しめる、貴重な機会です。『楊貴妃』では、映像に中車が出演し、玉三郎は実演する予定とのこと。最初は「口上でそれぞれの演目の解説もさせていただき」、今年も盛りだくさんの公演内容となっています。

 

 また、今までは座布団席のみでしたが、今回は枡席3列目より後方が椅子席になります。「腰かけられるように。荷物も置ける」と、玉三郎の提案によって実現しました。今年もよりお客様が楽しめるように、工夫が重ねられます。 

 

玉三郎が語る、八千代座「坂東玉三郎 映像×舞踊公演」

 『鷺娘』坂東玉三郎

八千代座公演30周年を区切りに

  平成2(1990)年から始まった玉三郎による八千代座公演ですが、「来年、30周年を迎えます。30周年でひと区切りということで、私はひとつの区切りをつけて、再来年からは出演しないかもわからない」と、打ち明けた玉三郎。「更地にしてあげたほうが、次の方たちが考えやすいと思い、そういう決断をいたしました」と、真剣な面持ちで述べました。

 

 「来年決まってから発表したのでは、お客様方、30年間いらした方もいらっしゃるでしょうし、(八千代座の)大改修からいらした方もいらっしゃって。改めて来たいと思ったときに、(公演が)たった6日間しかなくて入りきれないということもあるのでは、今までご贔屓くださったお客様に大変失礼なので、この度、そのことを発表させていただきます」と、長年、八千代座での公演を楽しんでくださっているお客様に思いを馳せました。

 

 

八千代座への思い

 「5年間の修復を経て、古い形の劇場でありながらも、現代の機械が入れられる。50人ほどの役者、その他演奏家、それから製作者たちが入れる楽屋や、部屋ができている」という八千代座。再来年以降の八千代座公演に関して、「違った俳優さんなり、違った舞台人に付いて、お客様にも八千代座に来ていただくことが大事。私も楽しくそのことを受け入れたいし、八千代座が賑わっていることを喜べる状態でいたい」と、心中を明かしました。

 

 玉三郎は、一番の望みとして「この土地柄を楽しんでください」と、お客様に呼びかけます。「もっともっと違う方たちがここを楽しんでくださって、そういうことがまた違う劇場でも行われるという気風が必要だと思う」と、主張しました。

 

 「私もこんな性格ですから、一回その土地に入ってしまうと、じゃあ一日でさよならってなかなかできなくなる」と、八千代座との深い縁を振り返り、「私が舞台に立つということだけに、専念できる環境をつくってくださった」と、感慨深げな様子で語ります。長年にわたる玉三郎の熱い思いが込もった劇場、八千代座。特別なこの劇場で行われる玉三郎の公演を、ぜひお見逃しないよう、足をお運びください。

 八千代座「坂東玉三郎 映像×舞踊公演」は10月30日(水)から11月4日(月・休)までの公演。チケット詳細はこちら

2019/07/31