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幸四郎、「二月花形歌舞伎」開幕を前に

幸四郎、「二月花形歌舞伎」開幕を前に

 

 2月11日(木・祝)に開幕した博多座「二月花形歌舞伎」の初日を前に、出演の松本幸四郎が公演に向けての意気込みを語りました。

歌舞伎らしい華やかな仕掛けも

 幸四郎を中心に、花形の俳優が集結した「二月花形歌舞伎」。「今回は座頭として勤めさせていただきます。情熱とパワーをもった役者さんばかりが集まりました。博多座にご来場いただくお客様に、少しでも気持ちが和らぐような時間をもっていただけるよう、舞台を勤めさせていただきたい」と、思いを込めて挨拶しました。

 

 公演のみどころについて、「昼の部・夜の部、ともに2演目ずつで、いずれもお芝居と舞踊の組み合わせです。気軽にお楽しみいただけるのではないかと思います」と語った幸四郎。「昼の部の『正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)』、これは古典の踊りで、荒事らしく、見得をしたり隈取があったり、歌舞伎を生で観て楽しんでいただける踊りだと思います。一方で、『松浦の太鼓』。これは言葉の緩急を楽しんでいただけるお芝居です。夜の部の『御浜御殿綱豊卿』は、日本語の力はこんなにもすごいんだ、と感じていただける、せりふがとても音楽的なお芝居。そして『元禄花見踊』は、歌舞伎のあらゆる面を、目で耳で楽しんでいただく、そんな作品です」。

 

 夜の部の『元禄花見踊』は、今回の博多座公演のために振り付けや演出を新たにつくりなおしました。「博多座の舞台機構は、他の劇場ではできないようなこともできる。その舞台の特徴を生かして」、踊りの最中に舞台転換が行われる“がんどう返し”という大仕掛けも取り入れられるとのこと。「昔から歌舞伎にある転換の仕方ですが、それでもお客様は大変驚かれるような仕掛け」と説明します。華やかな舞台上で繰り広げられる、歌舞伎ならではのスケールの大きい場面転換もお楽しみいただけます。

 

歌舞伎への情熱と愛情を胸に

 今回の公演に合わせて、14日(日)にバレンタインデー・プレゼント抽選会の開催、17日(水)にトークイベント「歌舞伎ナイト・オンライン in 博多座」の配信も決まっています。博多座での公演を通して「いかに皆様に歌舞伎との距離を縮めていただけるか、そのために何かできることはないか、常に考えている」と話します。今回のトークイベントでは、幸四郎が進行を勤め、出演俳優がせいぞろい。「俳優の素の姿や、役を演じるうえでの思い、歌舞伎に対する思いをお伝えする場はあまりないと思いますし、芝居についても、芝居と離れたお話も、たくさんさせていただきました」と、アピールしました。

 

 コロナ禍でも、「止まるのではなく、少しでも、半歩でも、1ミリでも、進んでいくことが必要」と、自身の思いを吐露する様子から、歌舞伎の未来を担う確固たる決意がにじみます。博多の街を「思い出のある特別な場所」と表現する幸四郎。「歌舞伎への情熱、愛情をもって一所懸命勤めております。お客様にご覧いただき、少しでもパワーをお配りできたらと思います」と、公演に対する思いを力強く語りました。

 博多座「二月花形歌舞伎」は、24日(水)までの公演。チケットは博多座オンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで、販売中です。

 

幸四郎、「二月花形歌舞伎」開幕を前に

 トークイベント「歌舞伎ナイト・オンライン in 博多座」事前収録の様子。左から、中村米吉、大谷廣太郎、中村壱太郎、中村歌昇、松本幸四郎、市川猿弥、市川笑也

 

2021/02/12