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南座「九月花形歌舞伎」初日開幕
2023年9月3日(日)、南座で「九月花形歌舞伎」の初日が開幕しました。
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梁山泊に集結した豪傑たちが、国家に反旗を翻す様をスペクタクルに描いた『新・水滸伝』。初演から15年の時を経て再演され、先月、歌舞伎座で大盛況のうちに幕を閉じた作品が、このたび新たな演出が追加され、よりスケールアップした濃密な舞台となって南座での初日を迎えました。
幕が開くと、彭玘(團子)の語りに観客は物語の世界に引き込まれます。晁蓋(中車)や李逵(福之助)により牢から助けられた林冲(隼人)。舞台上をところ狭しと駆け回る、気迫あふれる立廻りに客席は思わず息をのみます。梁山泊に身を寄せるも、周囲と馴染めずにいた林冲ですが、その身の上が明かされ物語が展開していきます。晁蓋、李逵、燕青(寿猿)、時遷(嘉島典俊)、姫虎(笑三郎)、公孫勝(門之助)ら、梁山泊の面々が、力を合わせようと声を上げて出陣する場面では、会場の熱気も高まります。
高俅(浅野和之)、祝彪(青虎)との戦いのなかで、林冲をかばい張進(歌之助)の刃をうけ息絶える彭玘。その命がけの訴えを聞き、林冲が張進を討つ展開は、観客の胸を打ちます。さらに、梁山泊の王英(猿弥)と、敵であった青華(笑也)の恋模様、それをサポートする殺し屋のお夜叉(壱太郎)の、テンポのよい掛け合いもみどころです。梁山泊を救う覚悟を決めた林冲が、飛龍による宙乗りを披露すると、場内の熱気は最高潮に。やがて林冲と仲間たちが志を一つにし、希望にあふれる結末を迎えます。カーテンコールでは、万雷の拍手がいつまでも続き、活気に満ちた幕切れとなりました。
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南座「九月花形歌舞伎」は24日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。
2023/09/04