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「坂東玉三郎 初春お年玉公演」で幕を開けた大阪松竹座の新年
2024年1月3日(水)、大阪松竹座「坂東玉三郎 初春お年玉公演」が初日の幕を開けました。
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令和6(2024)年の大阪松竹座は、「坂東玉三郎 初春お年玉公演」で幕を開けます。玉三郎が大阪松竹座のお正月公演に出演するは4年連続となり、劇場もお正月らしい雰囲気で華やぎます。幕開きの『口上』では、玉三郎が新年のご挨拶とともに、女方の所作について実演を交えながら話します。続いては、一人寝ながら恋人のことを思う、女性の悲しさや切なさを描いた地唄舞の代表作、『黒髪』。女性の命と言われる黒髪に託し、その激しい恋心を内に秘める様子を描きます。色とりどりの花が描かれた華やかな金屏風を背景にしっとりと舞い、観客を魅了しました。
二幕目はシネマ歌舞伎『天守物語』の映像から始まります。登場したのは『天守物語』の富姫に扮した玉三郎。夜叉ヶ池へ出かけて濡れて帰った富姫を、薄(吉弥)や侍女たちが出迎えます。次に、先月の歌舞伎座「十二月大歌舞伎」で勤めた亀姫の姿になり登場。スクリーンに映し出された、過去に自身が演じた富姫と並び、久しぶりの再会を喜びあう場面を披露し、その演出に客席からは感嘆の声がもれます。亀姫に扮した玉三郎が箏を3曲奏でると、箏の音色に包まれた劇場からは盛大な拍手が送られました。
続いて、開場101年目を迎えた大阪松竹座の劇場内を、亀姫姿の玉三郎が自ら案内する映像の上映に続き、最後は地唄舞の『由縁の月』を披露。「夕霧伊左衛門」に取材した作品と言われており、身請けされた遊女が恋人と離れてしまう悲しさを、水に写る月影に寄せて嘆く様子が描かれます。美しい旋律のなか、艶やかに舞う玉三郎の姿に客席もうっとり見入り、華やかな雰囲気のなか幕となりました。
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大阪松竹座「坂東玉三郎 初春お年玉公演」は、14日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。