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南座「吉例顔見世興行」まねき上げ、祝幕もお披露目

南座「吉例顔見世興行」まねき上げ、祝幕もお披露目

 早朝から始まったまねき上げの様子

 2025年11月26日(水)、南座で「當る午歳 吉例顔見世興行」のまねき上げが行われました。

 京都の冬の風物詩、「吉例顔見世興行」では、毎年南座の正面に、芝居を宣伝する、古式ゆかしい「まねき看板」が飾られます。今年は、尾上菊五郎と尾上菊之助の襲名の二人をはじめとする総数65枚のまねき看板が、松の葉や短冊とともに京都四条の街を彩ります。すべてのまねき看板が上がり、青竹組みの上にずらりと並ぶと、劇場周辺がますます華やかな雰囲気に包まれました。

 

南座「吉例顔見世興行」まねき上げ、祝幕もお披露目

 「音羽屋!」のかけ声がかかるなか、ご挨拶しました

 まねき看板の前では公演の成功と無事を祈願する「塩まきの儀」が執り行われ、このたび南座で襲名披露公演を行う八代目菊五郎と菊之助が登場。お集まりの歌舞伎ファンの皆さんへご挨拶したのち、菊五郎の発声により全員で手締めを行い、今年のまねき上げも無事にお開きとなりました。まねき上げを見届けた菊五郎は、「親子そろって上がったこのまねきに恥じないように、顔見世興行を精一杯勤めたいと思います」、菊之助は「ここから始まるのだという気持ちと、頑張るぞという気持ちを感じました」と、気合のこもった言葉を述べました。

 

 

 また、このたび、公演期間中に南座の舞台を飾る「祝幕」が、初めてお披露目されました。今回、南座の襲名興行のために新しくつくられた祝幕は、フランスの老舗トランクメーカーのMOYNAT(モワナ)との協業で、グラフィックデザイナーの永井一正と株式会社日本デザインセンターが原画を手がけたもの。今年6月の歌舞伎座公演で、襲名披露狂言として上演された『連獅子』の親獅子と仔獅子がデザインのモチーフとなっています。

 

南座「吉例顔見世興行」まねき上げ、祝幕もお披露目

 背景の富士には、デザイナーのアンリ・ラパンによる「M」モノグラムの柄が用いられています

 お披露目された幕を見て、感嘆の声を上げた菊五郎。「力強さに圧倒されました。巨匠の永井先生と、高度な職人文化を受け継がれるMOYNATさまによる一つの芸術作品と言えるこの祝幕は、華やかな文化の交差点のような印象を受けます。力強さのなかに遊び心があって、伝統的でありながら未来的なデザインは、きっと劇場に入られたお客様にもワクワクしていただけるのでは」と、期待を交えて話します。

 

 菊之助も、「ここから新しい道が始まるんだ、という気持ちがしました。永井先生のデザインに力強さと華やかさがあって、このような素晴らしい祝幕を提供してくださったMOYNATさまに心から感謝します」と、感謝の念を伝えました。初代菊五郎が生まれた地である京都の南座での公演に向け、「歴史の重み、初代さんや歴代の菊五郎への感謝を抱きつつ、気を引き締めて舞台に臨みたい」(菊五郎)、「初代さんのおかげでここまで菊五郎が続いてきたので、初代さんの気持ちを胸に舞台に立ちたい」(菊之助)と、改めて気持ちを奮い立たせました。

 京の年中行事「當る午歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は12月1日(月)~25日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で発売中です。

 

南座「吉例顔見世興行」まねき上げ、祝幕もお披露目

2025/11/28