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「大阪松竹座 御名残道頓堀お練り」の賑わい
2026年3月29日(日)大阪・道頓堀で「大阪松竹座 御名残道頓堀お練り」が行われました。
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5月に閉場を控える大阪松竹座。4月、5月には大阪松竹座さよなら公演の掉尾を飾る「御名残四月大歌舞伎」、「御名残五月大歌舞伎」が上演されます。公演の開幕を前に、「御名残四月大歌舞伎」に出演の歌舞伎俳優が、人力車でのお練りと劇場前式典に登場しました。堺筋から御堂筋の沿道には約5000人の観衆が集まり、俳優の屋号も飛び交うなか、たくさんの声援に見送られながら道頓堀の通りを進み、大阪松竹座へと到着。劇場前の式典では、劇場に乗り込んだ俳優たちが順々にご挨拶を述べました。
口火を切ったのは中村鴈治郎。「道頓堀で人力車のお練りは初めてで、船乗り込みよりも皆様との距離がとても近かったです。大阪松竹座を皆様の目にとどめていただき、忘れることなく思いを残していただきたいです」。片岡孝太郎は、「“御名残”ではございますが、新しい形で、また歌舞伎を続けてまいります。これからもよろしくお願いいたします」と呼びかけ、松本幸四郎が「お練りが始まり太鼓が鳴り響いたときには、うれしさと寂しさがこみ上げてきました。それでも楽しんでいきたい。ぜひとも皆様、笑顔に、笑いに、幸せになりに来てください」と晴れやかに続きます。
中村亀鶴は、「終わりは始まりだと思っています。大阪松竹座で歌舞伎に限らずいろいろなエンタテインメントが上演されてきたことは、紛れもなくお客様のおかげです」と、感謝を述べました。大谷廣太郎は、「大阪の地は祖母や叔父が住んでいます。そのようなゆかりの深い場所でこの公演に出させていただきますこと、大変うれしく思っております」と喜びを明かし、中村虎之介は、「お客様の大阪松竹座での思い出を振り返りながら、最後の2カ月間の歌舞伎の舞台を楽しんでいただければと思います」と呼びかけます。
澤村精四郎は、「私の師匠の澤村藤十郎は、“関西で歌舞伎を育てる会”を発足した一人でございます。師匠が来られない分、私が列座させていただけることを本当にうれしく思っております」と感慨深く語ります。片岡松之助は思いを滲ませ、「私の初舞台は道頓堀にあった朝日座でした。道頓堀の劇場がなくなってしまうのは寂しい思いです。この松竹座の2カ月間の公演をよろしくお願いします」。上村吉弥は、「このさよなら公演に出演させていただきますこと、本当にありがたく思っております。精一杯勤めます」と率直な思いを述べました。
市川門之助は、「大阪松竹座にはいろいろな思い出がありますが、スーパー歌舞伎をはじめ、たびたび出演させていただきました。たくさん、なじみのお店もございました」と思い出を語り、市川高麗蔵は、「道頓堀の劇場、この大阪松竹座や中座でたくさんの経験をさせていただきました。これからも大阪で多くの方に歌舞伎を観ていただけるよう、精一杯勤めます」と前向きです。松本錦吾は、「大阪は私の故郷、ゆかりの地でもあります。私は来月で84歳になりますが、また大阪で歌舞伎が上演されるときには出演できるよう頑張るつもりです」と意欲をみせ、澤村宗之助は、「大阪松竹座の思い出は山ほどございますが、ここでは喋りきれないことばかりです…(笑)」と、ユーモアたっぷりで観衆を沸かせました。
中村陽喜からは、「(大阪松竹座への出演は)初めてですが、さよなら公演に間に合ってよかったです。頑張って稽古もしたので観に来てください」と、微笑ましい挨拶も。続く中村隼人は、「歌舞伎をはじめさまざまな舞台でも出演させていただいた思い出深い劇場です。2カ月間精一杯勤めます」と力強くご挨拶。中村壱太郎は、「上方歌舞伎の役者として、これからも上方の舞台のために精一杯頑張っていきたいと思います」と、決意を語りました。
中村獅童は、「大阪松竹座へは、こけら落とし公演にも出演させていただいたり、はじめて座頭を勤めさせていただいた舞台もありました。(十八世中村)勘三郎のお兄さんとの思い出もたくさんございます」と振り返り、片岡進之介は、「大阪松竹座は閉場してしまいますが、(4月夜の部『大當り伏見の富くじ』のあらすじのように)一発逆転の気持ちで勤めさせていただきます」と続きます。中村扇雀は、「(公演名に)“御名残”と書いてありますが、歌舞伎が観られなくなるわけではございません。皆さまのお力で歌舞伎を大阪で上演できるよう、観たいと思っていていただけるよう舞台を勤めます。先に繋がるような公演になるように、皆様のお力をお貸しください」と呼びかけます。中村歌六は、「長い間お世話になった松竹座さん、ありがとう。道頓堀もありがとう。そして大阪松竹座を愛してくださった多くのお客様にも心から御礼申し上げます。道頓堀に大阪松竹座という芝居小屋があったこと、皆様どうぞお忘れにならないでください。そしていつか道頓堀に新たな芝居小屋ができますことを祈念しております」と熱い気持ちを伝えました。
最後に片岡仁左衛門が、「本日は大勢様お集まりいただきましてありがとうございます。大阪松竹座は一度閉まりますが、この“御名残公演”は“お休み公演”とも思っております。必ず道頓堀にまた芝居小屋が立つと思っております。この2カ月間役者も頑張りますので、ぜひともお足をお運びください」とのご挨拶に続けて、「世界平和、皆さまのご多幸、そして道頓堀にまた劇場が立つことを祈念いたしまして皆様とともに手を締めたいと思います」との声かけで、劇場前にお集まりの皆様とともに大阪締めで手を締めました。
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大阪松竹座「御名残四月大歌舞伎」は26日(日)まで、「御名残五月大歌舞伎」は5月2日(土)から26日(火)までの公演。チケットはそれぞれ、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。
