歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



もっと知りたい!孝太郎さんのこと


演じていて楽しかった“いけずな”女性”

片岡孝太郎さんをもっと知りたい!
片岡孝太郎
初代 片岡孝太郎
(かたおか たかたろう)

生まれ
昭和43年1月23日、京都府生まれ。

家族
十五代目片岡仁左衛門の長男。息子は初代片岡千之助。

初舞台
昭和48年7月歌舞伎座『夏祭浪花鑑』倅(せがれ)市松で片岡孝太郎を名のり初舞台。

孝太郎さんを観たい!

 いずれ、千之助さんとも『男女道成寺』を踊ってみたいと思われますか。
 「千之助の頭の中は『女殺油地獄』の与兵衛でいっぱいみたいです。父が初役で演じたのが20歳なので、自分は19歳でやりたいというのが夢のようです。そのときは父が徳兵衛で、“パパがおばあさん(おさわ)ね”と言われております。私がお吉ではないんだと(笑)。福助のおにいさんのお吉でやりたいようです」

 4月に歌舞伎座も新開場しました。今後なさりたいことがあれば教えてください。
 「新しい役にチャレンジしていきたいですね。去年の12月に、京都の南座で『関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)』のおかみさん、おとわを勤めました。おとわも、7月に大阪松竹座で演じた『柳影澤螢火(やなぎかげさわのほたるび)』のお伝の方も、(九世澤村)宗十郎にいさんのおやりになっていた役です。その路線のお芝居をなさる方が今はいらっしゃらないのなら、やってみたいなと思いました」
 「あとは、三姫全部とは申しませんが、『十種香(本朝廿四孝:ほんちょうにじゅうしこう)』の八重垣姫も女方としては演じてみたい。最近は、昨年の10月の国立劇場『塩原多助一代記』のお栄のような、いけずな女性も演じる機会が増えました。悪女は演じていて楽しいし、面白い。悪婆役などもできたらと思います」


 現在公開中の『終戦のエンペラー』や来年正月に公開予定の『小さいおうち』(山田洋次監督)など、映画へのご出演も目立ちます。
 「『終戦のエンペラー』はオーディションを受けました。終戦の頃の天皇陛下と今の私の年齢が近いのです。『小さいおうち』は、山田監督からお話をいただきました。松たか子さんの夫役です。染五郎君の女房を演じたことがありますし、9月には新橋演舞場の夜の部『不知火検校(しらぬいけんぎょう)』で(松本)幸四郎おにいさんの相手役を初めて勤めます。これで(松本)紀保さん以外の幸四郎家の皆さんの相手役をさせていただくことになります。ほとんど一家制覇(笑) 。不思議なご縁を感じます」
 「以前に出演した『太陽の帝国』(1987年)や『Beauty うつくしいもの』(2008年)もそうですが、映画で僕は昭和の、それも戦争中の役しか演じたことがありません。平成が舞台の映画にも出てみたいですね」


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