歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



鎮守神社正面にある茅葺きの屋根の舞台

鎮守神社への石段が見物席

入母屋造りの建物内部の天井

九代目座長の星利弘さん

260余年にわたる伝統は村の誇り

 その昔檜枝岐の村民が、お伊勢参りの帰りに立ち寄った江戸で見聞きした歌舞伎芝居を、見よう見まねで演じ、それが親から子へと伝わり、やがて浄瑠璃本を江戸みやげにする者も現れ……。村民の、村民のための郷土芸能“檜枝岐歌舞伎”は、こんなふうに歌舞伎を愛する人々によって現代へと受け継がれてきた。

 鎮守神社殿の前に建てられた茅葺きの拝殿兼用の舞台で奉納歌舞伎が行われるのは、5月12日の愛宕神祭礼と8月18日の鎮守神祭礼の2回。このほか観光客を対象に「歌舞伎の夕べ」と称した公演が9月の第一土曜日に行われている。

 260年余りの間、絶えることなく受け継がれてきた檜枝岐歌舞伎は村の誇り。すべては村民の手によって運営されてきた。大道具や小道具、衣裳もすべて手づくりだ。
「昭和40年代に座員が減って火が消えそうになったときもありましたが、なんとか自分たちで続けていこうという思いでこれまでやってきました」と、語るのは、千葉之家花駒座の座長として九代目を受け継いだ星利弘さん。

 千葉之家花駒座とは檜枝岐歌舞伎を運営する一座の名称で、大正時代に命名された。現在では小学生から70代まで男女合わせて30人の座員が、役者兼裏方として毎年の舞台に情熱を注いでいる。観光案内所に併設された歴史民俗資料館を訪れると、村の歴史とともに檜枝岐歌舞伎の舞台裏を垣間見ることができる。

檜枝岐歌舞伎

住所

 : 

福島県南会津郡檜枝岐村 鎮守神社境内

問合先

 : 

0241-75-2432(尾瀬檜枝岐温泉観光協会)

HP

 : 

http://www.oze-info.jp/

今後の上演予定
○鎮守神祭礼奉納歌舞伎

日時

 : 

2007年8月18日(土)17:30開演

演目

 : 

寿式三番叟
玉藻の前旭の袂 道春館の段
一之谷嫩軍記 熊谷陣屋の段

料金

 : 

無料

場所

 : 

檜枝岐の舞台

○第23回檜枝岐歌舞伎の夕べ

日時

 : 

2007年9月1日(土) 18:30開演

演目

 : 

寿式三番叟
奥州安達ヶ原 袖萩祭文の段

料金

 : 

1000円(村宿泊者無料)

場所

 : 

檜枝岐の舞台

歴史民俗資料館

住所

 : 

福島県南会津郡檜枝岐村字下ノ原887-1

問合先

 : 

0241-75-2432(尾瀬檜枝岐温泉観光協会)

営業時間

 : 

8:30~17:00

定休日

 : 

無休

入場料

 : 

大人210円

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