歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



子どもたちの笑い声まで聞こえてきそうな谷口さんの作品。
あふれる愛情と心からの信頼を感じさせる母と子の姿。
深山和紙を使った和紙人形の作家・谷口陽香さん。
谷口陽香プロフィール

1948年

山形県西置賜郡白鷹町に生まれる

76年

深山和紙による『白鷹人形』の基えを作る

97年

『国際新鋭作家コンクール展』入賞

98年

『バチカン国立美術館2000年際コンテスト』入賞 <ローマ>

2001年

『バトリオ邸 芸術大展』入賞 <スペイン>

03年

『フランス・パリ美の革命展 in ルーブル』入賞 <パリ>
『西本願寺無限展』参加

07年6月

新構展(上野の東京都美術館にて)

07年12月

京都人形の寺宝鏡寺門跡主催
人形展50周年記念人形の寺宝鏡寺
人形公募展 入選

現在、関東・東北を中心に個展を開催

 

和紙人形作家の谷口陽香さんHP

人の手のぬくもりを受け止める紙として

 書道家や画家だけでなく、人形作家の谷口陽香さんにとっても、深山和紙は作品作りに欠かせない紙だという。
「姉が今さんのご近所に嫁ぎ、休みのたびに子守に行った時に紙漉きを見ていたのがご縁で、今さんの深山和紙を分けていただいたのが始まりでした」

 谷口さんは、美しい深山和紙の作り手がどんどん減っていることに心を痛めていた。
「深山和紙の魅力はなんと言っても丈夫なこと。湿り気を与えて揉んでも、深山和紙は毛羽だちが少なく破れたりもしないで、しぼがきれいにできます。製作過程でどうしても手の汗などが紙につきますが、深山和紙はそうしたことにびくともしない強さと美しさがあります」

 そして深山和紙のもうひとつの魅力は、人の手のぬくもりを伝えていることだとか。
「今さんのお人柄の優しさが、紙から感じられるんです。今さんに紙漉きを教えたお母さんの、仕事には厳しいけれど、普段はいつも家族のことを考えて働いていた姿や、今さんご夫婦の息のあった仕事ぶり、いつも人をもてなしたいと手作りの美味しいものを作っていらっしゃる奥さん…そうしたご家族のあたたかさを和紙の表情に感じます」

 人と人とのつながり・想いを作品のテーマにしている谷口さんにとって、そんな今さん一家が漉くぬくもりある深山和紙は、なくてはならない素材なのだ。

深山和紙センター

 深山和紙振興研究センターでは、誰でも簀を振って紙漉き体験ができる(1枚500円、要予約)。お手本を何度か見せてもらったあと、自分でも挑戦! 縦横に簀を振って楮と楡の混じった水を平らにならすのだが、均一になるように振るのは思った以上に難しい。漉いた和紙は自宅に後日送付(送料別)してもらえる。

観るとやるでは大違い?! 職人気分が味わえる紙漉き体験。

住所

 : 

山形県西置賜郡白鷹町大字深山2527

TEL

 : 

0238-85-3426

営業時間

 : 

9:00~17:00

定休日

 : 

火・木曜、年末年始

和紙漉き体験 1枚500円(送料別)※5名以上・一週間以上前に要予約

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