インタビュー・文富樫佳織、写真松竹衣裳（株）・伊藤康弘、構成栄木恵子（編集部）

　私たちの身の回りは様々な文様に溢れています。
　洋服や着物に染め抜かれた四季のモチーフ、住宅でもタイルが作るデザインや壁紙など日本人は身の回りを自分の好きな文様で埋め尽くしてきました。中でも、多くの文様文化が残るのが歌舞伎の舞台です。

　東京藝術大学先端芸術表現科で教鞭をとり、唐草模様の誕生とデザインの変容を綴った『唐草抄』の著作もある伊藤俊治教授とともに文様の意味を解き明かしながら、歌舞伎を再発見します。

　今回は江戸歌舞伎を象徴する「荒事」に注目します。
　荒ぶる魂がほとばしる、そのルーツを文様や勇壮な衣裳に探します。