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「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」で幕を開けた大阪松竹座の新年
1月2日(土)、大阪松竹座「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」が初日の幕を開けました。
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2021年の大阪松竹座は、玉三郎の特別舞踊公演で幕を開けます。玉三郎が3年ぶりに大阪松竹座のお正月公演に出演するとあって、劇場内も華やぎます。
幕開きの『お年賀 口上』では、玉三郎がお客様に向けて新年のご挨拶を申し上げます。琴の演奏が響き渡るなか、これまでに自身が実際に使用したお正月らしい打掛を紹介するなど、今回ならではの趣向を凝らした充実のひと幕です。打掛は、『傾城』、『天守物語』、『助六曲輪初花桜』揚巻など豪華なものがそろい、あまりの美しさに、客席からはため息がもれる場面も。新年を寿ぐ晴れやかな雰囲気で、劇場は大きな拍手に包まれました。
続く二幕目は、静御前の義経への思慕の念と別れの悲しみを描く『賤の小田巻』。長唄の人気曲目の一つで、玉三郎が初役で勤めます。義経と生き別れた静御前は、奉納の舞を頼朝から命じられ、白拍子姿で舞を披露します。心の内に、別離の悲しみと義経を恋い慕う気持ちを秘めながら、頼朝の前で艶やかに舞う静御前の心情を繊細に表現した玉三郎。舞台の奥行を活かし、気品に満ちた荘厳な踊りと情趣あふれる舞台に、客席も引き込まれ温かい拍手が送られました。
最後は、平成30(2018)年に歌舞伎座で新作舞踊として上演された『傾城雪吉原』です。雪景色の新吉原に、豪華絢爛な傾城姿の玉三郎が現れると、息をのむほどの美しい情景が広がります。長唄の詞章に合わせて、傾城の心情を丁寧に表現していく玉三郎の美しさは、観ている者を魅了します。春、夏、そして秋と四季の移ろいにあわせて華々しく変化し、廓勤めの様子を表現するところは眼目です。巡りくる春へ思いを馳せながら幕となり、いまの季節にふさわしい舞台を見せました。最後は鳴りやまぬ拍手にカーテンコールも行われ、初春にふさわしい打ち出しとなりました。
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大阪松竹座では、前後左右を空けた客席配置、換気や消毒など、安心安全にご観劇いただけるよう感染予防対策を徹底してお客様をお迎えしております。大阪松竹座「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」は19日(火)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。