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勘九郎、七之助「錦秋特別公演2021」のお知らせ

　10月5日（火）から全国15カ所で「中村勘九郎　中村七之助　錦秋特別公演2021」が開催されます。

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　平成17（2005）年から中村勘九郎、中村七之助を中心に、中村屋一門が毎年行う全国巡業公演。昨年度は全国17カ所すべての公演が中止となりました。この秋､昨年開催出来なかった会場を含め、全国15カ所での公演がおこなわれます。

巡業公演へかける思い

　今年の3月から4月にかけ、全国5カ所で開催された春の巡業を、「お客様が、それ以上たたいたら手が痛くなってしまうのではと言うくらい、思いを込めて拍手をしてくださり、待っててくださった安心感と、うれしさがこみ上げてきました」と、振り返る勘九郎。七之助も、「どういう状況かわからないなか、幕が開いたら大勢のお客様に来ていただいたことに驚きました。役者としては、何よりうれしいことでした」と、感慨深く語ります。

　今回の錦秋公演に向けては、勘九郎が「昨年度の中止でうかがえなかった土地に、今年は春と秋、2回に分けてうかがえることがうれしいです。大手を振って、お越しくださいと言いづらい状況が続いていますが、少しでも現実を忘れ、歌舞伎の世界に飛び込んでいただけたら」と、抱負を述べます。「こういった状況下で来てくださるお客様には、ありがたいのひと言です。明日への望み、希望につなげていただければ幸いですし、私たちもやる意味がある」と、七之助も力強く続けました。

世のなかの平穏無事を願って

　今回の上演演目は、『浦島』、『甦大宝春日龍神（よみがえるたいほうかすがりゅうじん）』の舞踊2題。中村鶴松が出演する『浦島』について、勘九郎は「二枚扇のテクニカルな踊りで、目にも楽しく、初めてご覧になる方にも親しみやすい演目」と、魅力をアピールします。「父（十八世勘三郎）が私の『浦島』を気に入ってくれていたので、それをしっかり鶴松に継承して、伝えられたら」と、期待を込めました。

　兄弟で出演する『甦大宝春日龍神』は、天竺行きを報告しに春日大社を参拝した鎌倉時代の高僧・明恵上人が、龍神、龍女からお告げを受ける物語。七之助が、「お芝居仕立てが強い前半から、打って変わって、後半は荒々しい龍神龍女の踊りとなります」と、みどころを説明します。さらに、「春日大社の奉納舞踊として踊らせていただいた作品で、不思議な力のある舞踊。今の世のなかの平穏無事を願う気持ちを心に秘めて、踊りたいと思います」と、作品への思いをにじませました。

歌舞伎本来の楽しさを

　「物語が難しくても、自然と涙が流れてくるような、内面の、奥底を刺激する作品が歌舞伎にはたくさんあります。今回の踊りも、歌舞伎本来の演出で、楽しんでいただければ」と、普段あまり歌舞伎をご覧にならない方への思いを語る勘九郎。また七之助も、「巡業では、トークコーナーでのお客様とのコミュニケーションも楽しみの一つです。少しでも多くの方に、歌舞伎を伝えることできたら」と、笑顔で、巡業公演ならではの魅力に触れました。

　勘九郎が「不安定な日々ですが、楽しんでいただけるように全力を出して、共演者と力を合わせますので、歌舞伎がお客様の心の栄養になることを願っております」と締めくくると、「どこへ行っても一所懸命、というのが、父からの教えです。どの会場でも、変わらず私たちのつくったスタイル、やってきたことをお見せしたいです」と、七之助も、気合十分に語りました。

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中村勘九郎　中村七之助

錦秋特別公演2021

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一、浦島（うらしま）　

浦島：中村鶴松　

二、甦大宝春日龍神（よみがえるたいほうかすがりゅうじん）　

村の男田吉実は猿澤の龍神：中村勘九郎
村の女宮子実は猿澤の龍女：中村七之助
明恵上人：中村いてう
村の女松子（昼）：中村仲四郎
村の男太郎（夜）：中村仲助
村の女花子：中村仲之助（昼）
　　　　　　中村仲弥（夜）

三、トークコーナー

中村勘九郎

中村七之助

中村鶴松