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菊之助が「松尾芸能賞 優秀賞」を受賞
2023年3月29日(水)、「第44回松尾芸能賞」贈呈式が行われ、演劇部門の優秀賞を受賞した尾上菊之助が出席しました。
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公益財団法人松尾芸能振興財団による松尾芸能賞は、「長年にわたり日本の文化・芸能の保存、向上に寄与した芸能出演者や演出・音楽・劇場芸能に高い技能を持つ人々」に贈られます。昭和55(1980)年から始まり、今年で第44回を迎えました。
菊之助の贈賞理由として、「国立劇場で立役の卒業論文といわれる『義経千本桜』の知盛、権太、忠信の三役に挑む一方、歌舞伎座の市川團十郎白猿襲名披露では『助六由縁江戸桜』の揚巻、『京鹿子娘二人道成寺』と女方の大役で出演。音羽屋の芸『鼠小僧次郎吉』『土蜘』と、播磨屋の芸『盛綱陣屋』をみごとに演じ歌舞伎界を牽引した。先輩に教えを請い新しい役柄に挑み成果を挙げてきた姿勢と努力は賞賛される」旨が紹介されました。
受賞のステージに上がった菊之助は、受賞者紹介VTR内の幼少期のエピソードに触れながら、「小さい頃には手のつけられないような悪ガキでしたが、その子どもがこの栄誉ある賞をいただいているなんて、あの頃の自分に言ってやりたいと思っております」と、笑顔で挨拶。「この賞を糧に、父・尾上菊五郎、そして岳父・中村吉右衛門の背中を追って、これからも精進してまいりたいと思います」と、気を引き締めました。
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贈呈式後の取材では、改めて「名誉ある賞をいただきまして、このようなうれしいことはございません」と、受賞の喜びを述べた菊之助。自身は平成15(2003)年に新人賞を受賞し、菊五郎、吉右衛門はともに大賞を受賞しています。「今日受賞されました先輩方と一緒に、このエンタテインメントの世界を盛り上げていく一翼として、これからも古典、復活、新作と勤め、前に進んでいこうと肝に銘じました」と、決意を込めました。