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勘九郎、勘太郎が語る、歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」

勘九郎、勘太郎が語る、歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」

 

 2024年2月2日(金)より上演中の歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」に出演している中村勘九郎、中村勘太郎が、中村屋ゆかりの「江戸歌舞伎発祥之地」記念碑を訪れ、公演への思いを語りました。

勘九郎、勘太郎が語る、歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」

 

中村屋ゆかりの地で節目の年を迎える

 今から400年前の寛永元(1624)年2月15日、江戸・中橋南地に初世勘三郎が江戸で初めて幕府の許しを得て櫓を上げたとして、この日は「江戸歌舞伎発祥の日」に定められています。今年は江戸歌舞伎の発祥から400年、十八世勘三郎の十三回忌の年にあたり、歌舞伎座では十八世中村勘三郎十三回忌追善「猿若祭二月大歌舞伎」が開催されています。公演中の2月15日(木)、勘九郎と勘太郎が東京・京橋の「江戸歌舞伎発祥之地」記念碑の前にそろいました。

 

 

 勘九郎は、「江戸歌舞伎が始まって400年の年に歌舞伎座で猿若祭を行うことができ、2月15日という節目の日にこうして勘太郎と発祥の地にいられること、また父の十三回忌として、“勘三郎”の名がついた猿若祭になったことに、亡くなった後でも父のプロデュース能力を感じてしまい、鳥肌が立ちました。格好いい父ですね」と、感慨深げに語ります。平成17(2005)年には十八代目の襲名を目前に控えた勘三郎が記念碑リニューアルの除幕式を行った場所でもあり、「縁を感じます」と、噛みしめます。

 

勘九郎、勘太郎が語る、歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」

 平成17年「江戸歌舞伎発祥之地」記念碑リニューアル除幕式 十八世中村勘三郎(当時 勘九郎)

 勘太郎が夜の部で出演しているのは、まさにこの江戸歌舞伎の発祥を描いた中村屋ゆかりの舞踊劇『猿若江戸の初櫓』。初役で猿若を演じています。「(江戸歌舞伎が始まった)2月の公演で、しかも(発祥から)400年経ったときに、猿若を自分が演じているなんて想像がついていなかったので、驚きました」と、勘太郎は自身の役と節目の年のめぐり合わせへの率直な感想を口にします。

 

代々受け継がれる『猿若江戸の初櫓』

 上演中の「猿若祭二月大歌舞伎」について、「父の追善ということ、そして共演者の皆様方のお力もあり、連日大変多くのお客様がお越しくださり、力になっています。少しでも来てくださった方々に楽しんでいただくために、26日まで無事にいい芝居ができたらと思っています」と、真摯に語る勘九郎。「400年の節目のこの記念すべきときに、より多くのお客様に足を運んでいただけたらうれしく思います」と、呼びかけました。

 

勘九郎、勘太郎が語る、歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」

 

 勘太郎は、『猿若江戸の初櫓』は「今までで一番難しい踊りだと思うので、ずっと汗だくで稽古をしていました。初めてなので、緊張するところはあります」と、挑戦の日々の様子。「今日2月15日はまさに『初櫓』の題名の通り、櫓を上げた日ですし、次にこういう節目で踊れるのは100年後なので、しっかりやってください」という勘九郎の呼びかけに、「はい」と力強く答え、「一所懸命踊っていますので、ぜひ観に来てくださればいいなと思っております」と、語りました。

 

 難易度の高さから、「12歳で挑戦する演目ではないと思っていたのですが、勘太郎は本当に稽古熱心ですし、何よりも芝居が好きなので、その熱意を感じて、今回彼が猿若を勤めることになりました。私も初役で猿若を演じたときは父からいろいろと指導を受けましたが、その父から教わったことを勘太郎に伝えることができうれしいです。また、日々吸収して進化していますので、親としては成長を感じています」と、勘九郎が親心をのぞかせながら、この記念すべき興行の千穐楽に向けて、親子で気を引き締めました。

 歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」は、26日(月)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2024/02/15