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愛之助、中車、壱太郎が語る、「立川立飛歌舞伎特別公演」
2024年11月21日(木)から始まる立川ステージガーデン「立川立飛歌舞伎特別公演」に出演する片岡愛之助、市川中車、中村壱太郎が、演出・脚本・振付の藤間勘十郎とともに、公演に向けての思いを語りました。
立飛グループ創立100周年記念事業と冠して行われる「立川立飛歌舞伎特別公演」。昨年初開催され、地域の方を中心に大いに好評を得た本公演が、再び今年も上演されることになりました。今回は、五條坂仲之町の場面が有名な『曽我綉俠御所染』の物語を再構成した『新版 御所五郎蔵』、そして金毛九尾の狐である玉藻前が9役の早替りを見せる舞踊『玉藻前立飛錦栄(たまものまえたちひのにしきえ)』と、いずれも新作の2作品をお届けします。
華やかに描く御所五郎蔵
『新版 御所五郎蔵』では、愛之助が御所五郎蔵と後室百合の方の2役、中車が星影土右衛門、壱太郎が傾城逢州と時鳥の2役をそれぞれ勤めます。二枚目の代名詞とも言われる五郎蔵を初役で勤める愛之助は、「五郎蔵は大先輩方のせりふが耳に残っている、懐かしい思い出のある役です。また百合の方は品格と迫力があり、怖くもあり悪くもある、まったくの別人なので、別の役者が演じているように感じていただけたら幸いです。思い切り弾けて楽しみながら、皆さんとつくり上げていきたい」と、意気込みます。
敵役の星影土右衛門について中車は、「初役ですし、また新版として大きく書き換えていく意欲作とも聞いています。本当に初めてのものとして全力でぶつかっていかなければならない」と気合を込め、「愛之助さんにいろいろとうかがいながらしっかりとつくっていきたいと思います。土右衛門は悪役らしさを見せるより、その大きさのようなものを表現して演じることを念頭に置かなければならないなと思っております」と、役についての心構えを述べました。
このたび補綴として参加する、「木ノ下歌舞伎」主宰の木ノ下裕一と以前から交流があるという壱太郎は、「新たな作品づくりをご一緒できてうれしい」と、愛之助と異口同音に喜びます。本作の演出を手がける藤間勘十郎は、「『御所五郎蔵』のくだりだけではなく、浅間家のお家騒動もしっかり決着がつくように描き、100周年記念にふさわしい華やかな歌舞伎にしたい。もちろん両花道も使います。歌舞伎を知らない方にも面白いと思っていただきたいですね」と、構想を伝えました。
錦絵のような舞台を
もう一つの演目『玉藻前立飛錦栄』は、藤間勘十郎の脚本・振付による新作舞踊。壱太郎演じる玉藻前が見せる9役の早替りや、最後の宙乗りがみどころです。本作について、秋の『道成寺』を意識していると話す勘十郎は、「これまで早替りにも『道成寺』にも挑まれてきた壱太郎さんだからできる舞台を考えたい。そして豪華な衣裳で、全員で極まるとまさに錦絵になるような形にしたいですね」と、熱弁します。
金毛九尾の狐を押戻す川村大介義明として登場する愛之助は、「どのような作品になるのか、今からお稽古が楽しみで、心躍らせて待っている次第です」と、満面の笑顔を見せます。「『黒塚』の阿闍梨をイメージして」、薬王院秀明上人の扮装スチールを撮ったという中車は、「しっかりした作品に少しでも力を添えられるよう頑張りたいと思います」と、抱負を掲げました。
このたび人生初の宙乗りに挑む壱太郎。大きな会場で高さのある宙乗りになることに触れ、「実は高所の移動が苦手」と、緊張の面持ちで明かしながらも、「初めて尽くしの挑戦ですが、懸命に勤めたいと思います」と、気持ちを奮い立たせます。9役の早替りについては、「それぞれの役の踊り分けが大変ですが、鍛錬と研鑽を積んで突き詰めていく。初めて歌舞伎を観る方やお子さんにも、少しでもすごいなという感想をもっていただき、未来につないでいきたいです」と、意欲にあふれる言葉で語りました。
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立川ステージガーデン「立川立飛歌舞伎特別公演」は、11月21日(木)から24日(日)までの公演、チケットは9月7日(土)より、チケットWeb松竹、チケットホン松竹ほかで発売予定です。