歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



もっと知りたい!仁左衛門さんのこと


歌舞伎見物がハレの楽しみであるように

片岡仁左衛門さんをもっと知りたい!
片岡仁左衛門
十五代目 片岡仁左衛門
(かたおか にざえもん)

生まれ
昭和19年3月14日生まれ。

家族
父は十三代目片岡仁左衛門。五代目片岡我當、二代目片岡秀太郎が兄、息子は初代片岡孝太郎。初代片岡千之助は孫に当たる。

初舞台
昭和24年9月大阪 中座『夏祭浪花鑑』市松で本名の片岡孝夫で初舞台。

襲名
平成10年1・2月歌舞伎座『吉田屋』伊左衛門、『助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)』助六ほかで十五代目片岡仁左衛門を襲名。

受賞
昭和61年度芸術祭賞、62年度日本藝術院賞。平成11年毎日芸術賞と大阪舞台芸術賞、15年朝日舞台芸術賞。18年紫綬褒章、日本藝術院会員ほか受賞、受章多数。

仁左衛門さんを観たい!

 今回の勘平は、本興行での初役(昭和58年5月)以来の南座ですが、南座の思い出は?
 「やはり顔見世ですが、私の若い時代には、お客様があまりお入りにならないこともあったんです。それでも客席はとても華やかでした」

 顔見世のために新しい着物をつくってという話もあるくらい…。
 「ええ、京都の方は、顔見世をご覧になるときはおしゃれをしてと思ってくださった。近頃はそれがなくなってきているでしょう。それが少し残念ですね。スニーカー履きでいらしてくださるのは、歌舞伎が身近になった証拠とも言えるのかもしれませんけれど…」
 「常にでなくていいのですが、顔見世に行くのだから、歌舞伎座に行くのだからと、年に何度か、ちょっと着飾る気持ちになっていただけたらと思いますねぇ。外国のオペラハウスも、上階のほうでご覧になるときはラフな格好、けれど、一等席に座るときはドレスアップをして見ますでしょう。ああいう華やかさがあると、さらに劇場が楽しくなるのではないかなと」


新しい歌舞伎座への思い

 春には歌舞伎座も新開場します。
 「だんだんにでき上がっていく姿を目にして、とても楽しみにしています。私は関西出身ではありますけれど、それでも歌舞伎座が母体みたいな気持ちがあります。早く帰りたいなと思いますね」

 4月の開場を楽しみになさっていらっしゃるのですね。
 「まだ中は知りませんから、どんな劇場になるのかなとは思いますよ。でも、前の歌舞伎座(第四期)ができたときも、昔のほう(第三期)がよかったとおっしゃる方がいらしたんです。それは、古い劇場に長年慣れ親しんだ使い勝手のよさからもきていると思います。ですから、今回もそういった声が出るかもしれませんね」
 「今度の歌舞伎座はどんなふうに育っていくのか。先輩たちが前の歌舞伎座を素晴らしいものにしてくださったように、私たちも頑張らなければと思っています」


 最後に、ご心配のファンも多いと思うので、11月に一部、病気休演されたことについてお話いただけますか。
 「ご心配をおかけし、本当に申し訳ありませんでした。以前に患ったところが原因で、休まざるを得なくなってしまいました。これからはより一層、細心の注意を払い、皆様に元気な舞台姿を見ていただきたいと思いますので、よろしくお願いします」

ようこそ歌舞伎へ

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