歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



もっと知りたい!片岡愛之助さんのこと


歌舞伎にフラメンコ!?

片岡愛之助さんをもっと知りたい!
片岡愛之助
六代目 片岡愛之助
(かたおか あいのすけ)

生まれ
昭和47年3月4日、大阪府生まれ。

家族
養父は二代目片岡秀太郎。

初舞台
昭和56年12月、十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』太刀持で片岡千代丸を名のり初舞台。

襲名
平成4年1月、片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』駿河次郎、『大江山酒呑童子』濯ぎ女なでしこで、六代目片岡愛之助を襲名。20年12月上方舞・楳茂都流の四代目家元を継承、三代目楳茂都扇性を襲名。

受賞
平成9年咲くやこの花賞、12年十三夜会賞、15年大阪舞台芸術新人賞、18年松尾芸能賞新人賞ほか、受賞多数。

愛之助さんを観たい!

 『GOEMON』ではフラメンコを踊られるとうかがいました。歌舞伎にどうやってフラメンコが入ってくるのでしょう。
 「五右衛門は、芸についての悩みを恋仲となった阿国に打ち明けられ、“芸はそういうものではない”と語り出し、父から教わったとフラメンコを踊って見せ、阿国と連れ舞いをするんです」
 「初演に際しては、日本のフラメンコ界を代表する舞踊家の小島章司さんが出演され、フラメンコもお教えいただきました。生のギター演奏で、徳島の劇場に行って初めて音と合わせました。同じフレーズを繰り返すということがなくて、どこをきっかけにしたらいいのか、まったくわからなかった。演奏家は現地の方で日本語が通じなかったですしね」

 小島先生からはどんなアドバイスがありましたか?
 「カウントを取って、延ばして、そして情熱。先生に言わせるとフラメンコは情熱なんですって。情熱で突っ走る。あとは踊ってくださいと。今回はフラメンコに佐藤浩希さん、そして初演でも参加してくださいましたが、再び元OSKの方にも出ていただきます。出雲の阿国ダンサーズとして10人ぐらい出てきます。面白い舞台になりますよ」

なによりもうれしい新作の再演

 大阪松竹座での座頭(ざがしら)公演になりますね。
 「主役でも脇役でも取組み方は同じです。歌舞伎ではありませんが、『花の武将 前田慶次』(平成22年9月)で座頭も経験しています。皆で同じ方向を見て芝居をつくる。もともと主役をやりたいという気持ちがないんです。お客様に喜んでいただく芝居というのが先です」

 では、愛之助さんがこの公演で最も期するところは…。
 「なんといっても、歌舞伎の新作で、再演ができることです。これがうれしい。何回も上演できるような作品にしたいです。今は新作ですが、百年たったら古典になります。今回の出演者は成人式前後の若い人が多い。若い人と一緒に何かをつくる…、僕もそういう年齢になりました。昼は父、夜は翫雀にいさんが出てくださるので、お二人の胸を借りてしっかりとやりたいと思います」

ようこそ歌舞伎へ

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