歌舞伎いろは

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大阪松竹座「二月花形歌舞伎」祇園祭礼信仰記『金閣寺』
歌昇さんのこと、お教えします

ようこそ歌舞伎へ 中村歌昇

襲名披露以来の大阪松竹座出演

 ――大阪松竹座には歌昇襲名(平成24年7月)以来のご出演だそうですね。

 大阪松竹座は襲名披露で出演したのが初めてで、それ以来です。私の先祖にあたる歌六は関西の出です。ゆかりのある土地で、『金閣寺』の東吉をさせていただけるのはやはりうれしいです。

 ――ご襲名前に、『研辰の討たれ(とぎたつのうたれ)』(同年2月)を大阪松竹座の客席で観客としてご覧になっていたところ、舞台に出されたことがおありだったとうかがいました。

 染五郎の兄さんが守山辰次をなさっていて、楽屋にまだご挨拶にもうかがっていないのに、なぜか私が拝見しているのをご存じで、客席から探し出されて、舞台に上げられました。襲名の年でしたので、お兄さんに宣伝までしていただきました。ありがたいことです。

 ――今回は、お父様の又五郎さんはいらっしゃいますが、あとは同世代の花形の皆さんが主体となる公演です。

 梅枝君や(尾上)右近君とは、日頃あまりお芝居でご一緒する機会がないので、こういうメンバーでさせていただけるのはありがたいです。この公演が大阪松竹座に定着すればいいと思います。昼が『義経千本桜』「渡海屋・大物浦」の弁慶で、こちらも難しい役です。弟の種之助が出演する『三人形』も、なかなかかかる踊りではないと思いますし、若手が難しい役に挑戦するところをご覧いただけたらと思います。

 ――息子さんが、そろそろ1歳になられますね。

 息子は千穐楽の次の26日に1歳になるので、25日が千穐楽でよかったなと思っています。ですから、すぐに東京へ帰ります。子どもはかわいいですね。うちにいるときは一緒にいますし、自分は両親に育ててもらったことをよかったと思っていますので、自分の子どもにもそう感じてもらえるようなればいいですね。

 子どもの誕生を父が喜んでくれているので、ひとつ親孝行できたかなと思います。息子は少しずつおしゃべりし始めていて、よくわからないことをずっとしゃべっています。私も子どもと一緒に成長していければと思います。初舞台ですか? いやそれはまだまだ先のことで、それより前に私がしっかりしなければと思います。

中村歌昇 播磨屋!

中村歌昇さんをもっと知りたい!

中村歌昇(なかむら かしょう)

生まれ 平成元年5月6日、東京都生まれ。
家族 三代目中村又五郎の長男。弟は初代中村種之助。
初舞台 平成6年6月歌舞伎座『道行旅路の嫁入』旅の若者で四代目中村種太郎を名のり初舞台。
襲名 平成23年9月新橋演舞場『舌出三番叟』千歳、『勢獅子』鳶頭雄吉、『菅原伝授手習鑑』「車引」舎人杉王丸ほかで四代目中村歌昇を襲名。
この一年の舞台

平成28年

2月 「二月大歌舞伎」(歌舞伎座)
『新書太閤記』加藤虎之助
3月 「三月大歌舞伎」(歌舞伎座)
『祇園祭礼信仰記』春川左近
4月 「四月大歌舞伎」(歌舞伎座)
『幻想神空海』白楽天
5月 「Wonder KABUKI Spectacle at MGM Grand」
(デヴィッド・カッパーフィールド劇場)
『KABUKI LION 獅子王』御所十郎頼雅/兄獅子十郎
6月 「六月大歌舞伎」(歌舞伎座)
『義経千本桜』「渡海屋・大物浦」亀井六郎
6月・7月 「松竹大歌舞伎」東コース(全国公演)
『松浦の太鼓』大高源吾
9月 「秀山祭九月大歌舞伎」(歌舞伎座)
『碁盤忠信』右平太/『元禄花見踊』元禄の男
10月 「芸術祭十月大歌舞伎」(歌舞伎座)
『女暫』手塚太郎/『熊谷陣屋』亀井六郎

平成29年

1月 「壽 初春大歌舞伎」(歌舞伎座)
『将軍江戸を去る』天野八郎/『大津絵道成寺』弁慶

ようこそ歌舞伎へ

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