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愛之助が語る「第十回 システィーナ歌舞伎」

愛之助が語る「第十回 システィーナ歌舞伎」

 

 2020年2月13日(木)から16日(日)にかけて、徳島県 大塚国際美術館システィーナ・ホールで行われる「第十回 システィーナ歌舞伎」公演に出演する片岡愛之助と、作・演出の水口一夫が製作発表に出演し、公演について語りました。

 平成21(2009)年から、「和と洋のコラボレーション」というコンセプトで始まった「システィーナ歌舞伎」も、いよいよ10回目を迎えます。これまでも多彩な出演者とのコラボレーションを行ってきましたが、今回は今井翼が出演することが発表されました。今井はこれまでに、『GOEMON 石川五右衛門』(平成26年大阪松竹座、平成28年新橋演舞場)で歌舞伎作品へ参加してきましたが、システィーナ歌舞伎へはこれが初めての出演となります。

 

愛之助が語る「第十回 システィーナ歌舞伎」

愛之助が演じる二人の信長

 「信長は残忍でもあれば、平和を求める武将でもあった。一件矛盾した二つの信長像を、二人の信長として描く。二人というのは、信長が双子であったという設定です」と、水口が「自分でもわくわくしながら書いている」という作品の構想を語りました。また、「なぜ信長が本能寺の変で明智光秀に討たれなければならなかったのかというテーマも、とりあげたい」と、浮かぶアイディアは尽きないようです。

 

 愛之助は、「システィーナ歌舞伎でなければ思い浮かばないような作品がたくさん生み出されてきた」とこれまでを振り返ります。今回、信長を演じることについて、「人生で、信長を演じる日がくるとは思っていなくて驚きました」と言いながらも、「いつものごとくステージを駆けまわりながら、第十回の節目となる舞台をしっかり勤めたいですね」と、変わらぬ気合を見せました。

 

愛之助が語る「第十回 システィーナ歌舞伎」

出演者の魅力もみどころ

 共演する今井について、公私ともに親しいという愛之助は、「とても真面目で茶目っ気もある方。互いに教え合うこともある、よい関係性です。参加していただけてうれしい」と、笑顔を見せます。今井はコメントを寄せ、以前出演した『GOEMON 石川五右衛門』が、このシスティーナ歌舞伎で生まれた作品であることに触れ、「大変なご縁を感じております。とても光栄で楽しみであると同時に、新たな時間を迎えられることに身の引き締まる思いです。しっかりと勤めさせていただきます」との熱い思いが伝えられました。

 

 システィーナ歌舞伎をともにつくってきた中村壱太郎、上村吉弥も出演します。愛之助が「チーム上方、という感じで、とても心強いです」という二人の役どころについて、水口は「壱太郎さんは蘭丸がいいと。吉弥さんはいやらしいお公家さんの役がいいと」希望が出ていると、半ば冗談混じりに明かしましたが、果たしてそれぞれどのような配役になるのか、期待が高まります。

 

システィーナ歌舞伎は探求の場

 システィーナ歌舞伎の大きな特徴の一つが、陶板で再現された大きな壁画や天井画に囲まれたシスティーナ・ホールに設置された舞台で上演するというスタイルです。愛之助は「壁画と歌舞伎の両方を楽しんでいただきたいので、ポジションを考えて見得をするなど、意識してつくります」と、この空間ならではのポイントをあげます。

 

 「音響はじめ、いろいろと試行錯誤を毎回重ねます。もっとこうしたら面白いんじゃないか、と探求させていただける場でもあります。このシスティーナ歌舞伎だからこそ、思い切った試みができる。本当なら(ここで生まれた)全ての作品を大劇場にもっていって上演したい」と意欲を見せる愛之助。作品を大劇場で再演できるかは状況やタイミング次第としながらも、「『NOBUNAGA』も、そうした未来を見据えてつくりたい」、という熱意も語られました。

 大塚国際美術館システィーナ・ホール「第十回 システィーナ歌舞伎」は、2月13日(木)~16日(日)の公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で12月15日(日)から、徳島新聞社事業部で12月16日(月)から発売予定です。

 

愛之助が語る「第十回 システィーナ歌舞伎」

 左から、迫久見子大塚ホールディングス株式会社広報部長、浅井智誉子大塚国際美術館学芸部長、
片岡愛之助、水口一夫、安孫子正松竹株式会社代表取締役副社長

2019/12/03