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勘九郎、七之助が語る「赤坂大歌舞伎」

勘九郎、七之助が語る「赤坂大歌舞伎」

 

 11月11日(木)から始まるTBS赤坂ACTシアター「赤坂大歌舞伎」に出演する中村勘九郎、中村七之助が、東京・赤坂氷川神社を参拝し、公演に向けての思いを語りました。

 1年ぶりの「赤坂大歌舞伎」

 「芸術の街、赤坂で歌舞伎を」。十八世中村勘三郎のひと言から始まった「赤坂大歌舞伎」は平成20(2008)年にスタートし、親しみやすい演目で人気を博してきました。昨年予定されていた6回目となる公演の中止を経て、本年11月、演目も新たに『廓噺山名屋浦里(さとのうわさやまなやうらざと)』、『越後獅子(えちごじし)』、『宵赤坂俄廓景色(よいのあかさかにわかのさとげしき)』の3作品が上演されます。

 

勘九郎、七之助が語る「赤坂大歌舞伎」

 

 赤坂氷川神社を参拝後、会見に臨んだ勘九郎と七之助。勘九郎は、「赤坂氷川神社さんにお詣りするのは久々なので、いよいよ始まるという気持ちです。しっかり感染対策をして、万全の体制でご覧いただきたい」と意気込みます。七之助も、「山車を見させていただきましたが、今年は残念ながら赤坂氷川祭が中止になったと聞き、微力ながら私たちが赤坂の街を歌舞伎で盛り上げられたらと思います」と、決意を示しました。 

 

愛情あふれる作品、華やかな大団円を 

 『廓噺山名屋浦里』は、平成27(2015)年の笑福亭鶴瓶の新作落語を舞台化した作品です。「鶴瓶師匠の落語を聴いてすぐに、歌舞伎座の大道具が目に浮かび、浦里という人物が七之助にぴったりだと思いました。終演後に、鶴瓶師匠に歌舞伎にしたいと直談判しまして、ご快諾いただきました」と、勘九郎は上演への熱い思いを述べます。

 

勘九郎、七之助が語る「赤坂大歌舞伎」

 

 本作品の再演を、ずっと兄弟で考えていたと切り出す七之助。「人と人との繋がり、愛情が全面に出ている作品。女方がメインの役で、いろいろな色をみせながら最後まで舞台にいる、という作品は珍しいと思います。浦里は気丈な一面を見せながら、ほんわかとして終わる。短い時間での女方の感情の変化が、この作品のみどころの一つではないかと思います」。

 

 今回は『越後獅子』を、初出演の中村勘太郎が勤めます。勘九郎は、「10歳で一人で踊るというのはなかなかできないこと。出演した記憶、劇場の空気を味わうのと味わわないのでは全然違うと思うので、父が残してくれたもの、赤坂大歌舞伎の空間で堂々と踊ってほしい」と、期待を込めます。さらに『宵赤坂俄廓景色』について七之助が、「今回は赤坂ACTシアターの改修前のひと区切りなので、『俄獅子』をベースに、恩返しの思いをこめた踊りです。長三郎も出演しますので、みんなが勢ぞろいして華やかな大団円、という舞台にしたい」と、明かしました。

 

勘九郎、七之助が語る「赤坂大歌舞伎」

 

 街ぐるみの応援をうけて

 「赤坂では、ポスターを快く商店街に貼ってくださったり、飲食店に立ち寄ると声をかけてくださったりと、皆様が本当に街ぐるみで応援してくださることがうれしい」と、赤坂への思いを語る勘九郎。「赤坂はもともと芸どころ、芸者さんがいらっしゃる街で、歌舞伎をやらせていただけることを、父も毎回喜んでいました」と、七之助は、父との出演も振り返ります。

 

 「コロナ禍で探り探りの状況が続くと思いますが、初めて歌舞伎を観る方、そして昔から歌舞伎を観てくださっている方々にも、また熱狂を味わってほしい。赤坂でも(劇場の改修後に)またやってほしいというお声もいただきますので、需要のある役者にならなくてはと思いますし、お客様にお楽しみいただけることを、積極的にやっていきたいです」と、勘九郎が気合十分に、締めくくりました。

 TBS赤坂ACTシアター「赤坂大歌舞伎」は11月11日(木)から26日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹ACTオンラインチケット他で販売中です。

2021/10/07