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「歌舞伎町大歌舞伎」の初日が開幕

「歌舞伎町大歌舞伎」の初日が開幕

『福叶神恋噺』左より、中村勘九郎、中村七之助

 2024年5月3日(金・祝)、THEATER MILANO-Zaで、「歌舞伎町大歌舞伎」が初日を迎えました。

【舞台写真は、ページ下部でご覧いただけます】

 新宿歌舞伎町で初めて歌舞伎が上演される「歌舞伎町大歌舞伎」。幕開きを飾るのは、長唄舞踊の『正札附根元草摺』です。父の仇・工藤祐経に対面しようと血気盛んに駆け出そうとする曽我五郎時致(虎之介)を、小林妹舞鶴(鶴松)が、たおやかながらも五郎に引けを取らぬ力強さで引き止めます。最後は逆沢瀉紋の鎧の草摺を二人が引き合って美しくきまりました。続いては清元で舞う『流星』。華やかな唐衣裳の牽牛(勘太郎)と織女(長三郎)が、七夕の逢瀬を無邪気に喜ぶところへ、流星(勘九郎)が現れ、雷夫婦の喧嘩の様子を踊りで伝えます。雷夫婦、子雷、婆雷と、瞬時に表情をくるくると変えて踊り分けるたびに客席からどよめきや笑いが起こり、顛末を語り終えた流星が空へ駆けていくと、大きな拍手が劇場を包みました。

 

 このたび初演となる『福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)』は、上方落語「貧乏神」をもとにした新作歌舞伎。生来の飽きっぽさから仕事が続かない大工の辰五郎(虎之介)の前に現れたのは、貧乏神のおびん(七之助)。おびんは同じ貧乏神のすかんぴん(勘九郎)に忠告を受けながらも、辰五郎の愛嬌にほだされてお金を貸し、かいがいしく世話をして暮らし始めます。各登場人物の魅力はもちろん、花道の代わりに客席の通路を活用した演出や、江戸の長屋暮らしの風情、おびんが掃除をしながらお茶目に舞う様子、歌舞伎町らしい趣向を入れ込んだ場面など、みどころや遊び心たっぷりの舞台が観客をひきつけます。誰もが笑顔になる結末に鳴り止まぬ拍手が響くなか、初日の幕が閉じました。

 THEATER MILANO-Za「歌舞伎町大歌舞伎」は、26日(日)までの公演。チケットの詳細は、公演情報でご確認ください。

 

「歌舞伎町大歌舞伎」の初日が開幕『正札附根元草摺』左より、中村鶴松、中村虎之介

「四国こんぴら歌舞伎大芝居」初日の賑わい『流星』左より、中村長三郎、中村勘九郎、中村勘太郎

「歌舞伎町大歌舞伎」の初日が開幕『福叶神恋噺』左より、中村虎之介、中村七之助

「歌舞伎町大歌舞伎」の初日が開幕『福叶神恋噺』左より、中村勘九郎、中村七之助

2024/05/07