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新橋演舞場『双仮名手本三升』の賑わい
2025年1月3日(金)、新橋演舞場で「初春大歌舞伎」『双仮名手本三升(ならべがきまねてみます) 裏表忠臣蔵』の初日が開幕しました。
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歌舞伎の三大名作の一つである『仮名手本忠臣蔵』の物語を“表”、新しく創作した部分を“裏”とした『双仮名手本三升(ならべがきまねてみます) 裏表忠臣蔵』。『裏表忠臣蔵』を初演した七世市川團十郎からその精神を受け継ぎ、十三代目團十郎としての新しい視点を加えてお届けする今回の舞台。昼夜通しで、忠臣蔵の世界の魅力を余すところなく伝える作品です。
このたび團十郎は、初役の大星由良之助のほか、早野勘平、斧定九郎、高師直の4役を演じます。昼の部では、梅玉勤める塩冶判官と師直の確執、松の廊下の刃傷事件から判官の切腹、そして山崎街道での斧定九郎の登場や、仇討ちへの参加を願う早野勘平の悲劇が描かれます。團十郎が早替りで登場するたびにがらりと変わる雰囲気に、観客は圧倒され、物語の世界に引き込まれます。
夜の部は、いわゆる「七段目」と呼ばれる祗園一力茶屋の場面から。時至るまで、仇討ちへの強い思いを明かせない由良之助の姿が描き出されます。そして梅玉の加古川本蔵から助けを得た由良之助が、悲願である討ち入りを果たし、引き揚げるまでが描かれます。通常の『仮名手本忠臣蔵』とはまた異なる斧定九郎の暗躍ぶりや、ぼたんと新之助による幻想のおかると勘平の美しい舞踊、華やかな宙乗りなど、眼目が尽きません。いよいよ最後に主君の仇の師直を討ち果たした由良之助と浪士たちが勝どきの声をあげると、場内は大きな拍手に包まれました。
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新橋演舞場「双仮名手本三升」は26日(日)までの公演。チケットはチケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。
2025/01/10