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愛之助が語る「第十四回 永楽館歌舞伎」
2024年11月4日(月・休)から始まる、兵庫県 出石永楽館「第十四回 永楽館歌舞伎」に出演の片岡愛之助が、公演への思いを語りました。
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多くの方の支えがあっての「永楽館歌舞伎」
今年で第十四回を迎える「永楽館歌舞伎」。平成20(2008)年に初めて開催されてから毎年公演を行ってきましたが、コロナ禍で中止が続き、昨年4年ぶりに開催されました。公演を振り返った愛之助は、「皆様のおかげで復活できたことが本当にうれしかったですし、ありがたかったです。文化は、こうやって紡いで繋いでいくものだと感じましたし、皆様の力あっての永楽館歌舞伎だと改めて思いました」と、感謝を表します。今年は令和元(2019)年以来となるお練りも実施されるといい、「おかえり!と言ってくださることが何よりうれしいです。地元の皆様にお目にかかること、そして出石お城まつりも楽しみにしていますので、非常にわくわくしております」と、期待を寄せます。
「永楽館歌舞伎」への出演が常連となっている中村壱太郎と市川九團次に加え、「今年はいつか一緒にお芝居ができたらと思っていた(中村)歌之助くんと、そして以前から『永楽館歌舞伎に出たい』と、おっしゃってくださっていた(片岡)孝太郎のお兄さんに出ていただけることになりました」と、共演を楽しみにしている様子。今回の演目立てについては、「新作にしようか、古典にしようかといろいろ話し合ったなか、珍しい演目を上演しようということになり、『奥州安達原』を思いつきました。最初の『奥州安達原』で少ししんみりした後は『口上』で楽しんでいただき、最後は『高坏』で笑っていただくという構成になっております」と、説明します。
永楽館にしかないもの
「毎回思うことは、永楽館には永楽館にしかない“熱さ”があるということ」と、語る愛之助。「(客席の)どこにいても、一番後ろでも、役者に手が届くくらいの近さがやはり永楽館の良いところ。昨年もお客様からのパワー、熱さをよりいっそう感じました」と、劇場の魅力を話します。さらに、「ここ(永楽館)でしか見られないものを観ていただきたいですし、私はここでしか観られないものをつくりたいと思っています。ここでつくる、生まれる、そして初役で勤めさせていただく…。初役はやはり、そのときしかないわけですから」と、特別な思いをのぞかせました。
今回『奥州安達原』の安倍貞任と、「前からやってみたいと思った演目」であるという『高坏』の次郎冠者に、いずれも初役で挑む愛之助。「『奥州安達原』では、袖萩が三味線を弾くところで雪が降ってくるのですが、お客様もその雪のなかに佇んでいると感じていただけるくらいに、永楽館にたくさん雪を降らせたいですね。(貞任が旗を振る場面では)客席に旗が飛んできたりもすると思いますし、この演目については観るより“体感”してほしいです。また親子の情愛、夫婦の情愛、たくさんの愛が含まれた物語になっていますので、いろいろな愛の形を感じていただきたいです」と、アピール。『高坏』は、「下駄でのタップダンスは難しく、これから稽古します。舞台とお客様との間がとても近いですので、花道も使ったりして演じていきたい」と、気合十分に話しました。
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出石永楽館「第十四回 永楽館歌舞伎」は、11月4日(月・休)から11日(月)までの公演。チケットは9月1日(日)から永楽館窓口で、9月3日(火)からは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹ほかで発売予定です。