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「八代目尾上菊五郎 六代目尾上菊之助 襲名を祝う会」で三代が語った思い
2025年3月31日(月)、都内ホテルで、「八代目尾上菊五郎 六代目尾上丑之助 襲名を祝う会」が開催され、尾上菊五郎、尾上菊之助、尾上丑之助が、襲名へ向けての思いを語りました。
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神田明神での「襲名披露お練り」に続き、同日夜に開催された「襲名を祝う会」。会場前のロビーには、先日公開された「八代目尾上菊五郎襲名披露 六代目尾上菊之助襲名披露」特別ビジュアルのパネルが並び、来場者を華やかに迎えました。
1,500人の来場者が会場を埋めつくすなか、神田明神のお練りから移動して、会場の壇上に並んだ菊五郎、菊之助、丑之助。初めに迫本淳一松竹株式会社代表取締役会長より、松竹創業130年のなかでともに歩んできた音羽屋への思い、激励を込めた挨拶が行われました。
お祝いの言葉を受け、マイクの前に立った菊五郎は開口一番、「ただいまご紹介に預かりました七代目菊五郎、いわゆる、古い方の菊五郎でございます」と茶目っ気たっぷりに挨拶し、場内の笑いを誘います。祝う会の発起人への御礼に続けて、「5月、6月の歌舞伎座は千穐楽までにぎにぎしく行われますよう、いずれも様のご贔屓、応援の程よろしくお願いいたします」と、丁重に挨拶しました。
「八代目!」というかけ声が飛び交うなか進み出た菊之助は、「父から襲名の旨を告げられて以来、歴代の菊五郎の歴史、功績を改めて見つめ直してまいりました」と、神妙に語ります。「私が思う菊五郎の精神とは、伝統と革新の両輪をなすということです。守るべきものは守り、守るために変えなければならないことは少しずつ変えていく。その精神を元にこれからも懸命に精進をし、歌舞伎の魅力を世界にお伝えすることを、今日も神前で倅とともに誓って参りました」と心境を明かし、「ここにいられるのも、皆様方のお力添えの賜物。何卒ご支援、ご声援のほどよろしくお願い申し上げます」と、感謝を伝え深く一礼しました。
続いて丑之助が、「皆様、本日はお忙しいなか、この襲名を祝う会にご出席いただき誠にありがとうございます。このたび、父と祖父が名のっておりました菊之助の名跡を六代目として襲名させていただくことになりました」と、きりっとご挨拶。「これからも、よりいっそう努力をし、名前に負けない役者を目指します。どうぞよろしくお願いいたします」と覚悟を述べ、万雷の拍手を浴びました。
それぞれの挨拶ののち、菊五郎らと発起人による鏡開きが行われ、おめでたい香りが周囲に漂います。皆が笑顔で襲名を寿ぎ、これからの音羽屋の未来に期待をいだく、幸多き「襲名を祝う会」となりました。
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八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助襲名披露興行は、歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」、「六月大歌舞伎」から始まります。その後、7月の大阪松竹座「七月大歌舞伎」、10月御園座「吉例顔見世」、12月南座「吉例顔見世興行」、さらに2026年6月博多座「六月博多座大歌舞伎」と続く予定です。