歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



※3「郵便配達夫の恋」
砂本量原案・脚本。都会で芸能活動を続けてきた女性・あかりは、歌うことの意味、そして自分自身を失い故郷の島へと帰ってくる。ある日、母親の遺品を整理していたあかりは、一通の投函されなかった手紙だった。それは意外な人物に宛てたもの…。ゆったりとした時間が流れる島を舞台に、秘めた想いを持った大人たちが織りなすラブストーリー。
 

舞台と客席で、分かち合う気持ち

 お昼ご飯は幕間に席で食べました。いつもながら明るい客席で食べるお弁当は、非日常感覚でウキウキします。

中島「客席でご飯食べられるっていいですよね。自分でお弁当作って歌舞伎観に来たら楽しいと思うし、あと洋服!例えばお店で見てかわいいなって思いながら『これいつ着んねん!』ってワンピースとか。歌舞伎に来るならいいんじゃないかなって思いました。楽しくおしゃれしてね」

 歌舞伎はもちろん、現代劇やバレエ、ライブなど舞台を観るのがお好きだという中島さんは今年9月27日に初日を迎える「郵便配達夫の恋」(※3)で舞台では初の主演に挑みます。中島さん演じるあかりは、東京で芸能活動を続けてきた歌手。そんな彼女が30代を迎え、ふと時間をとめて自分の生き方を振り返る…等身大に近い役を演じる舞台で、お客様をどんな世界へ連れていこうと思っているのでしょうか?

中島「現代ドラマの場合って、時代劇とは意味が違いますよね。異世界というよりはストーリーの中にはまってくれると嬉しいなって思います。何か事件があってというよりは、ひとりの女性の成長期を描いたものなので気持ちのひだを感じてもらえるといいですね」

富樫「中島さん自身が映像の仕事とは全く違った異世界に飛び込む感じですか?」

中島「そう、楽しみです。今回は歌手の役だから歌も歌うし。舞台って毎日同じことをやるでしょ?それがねえ…やったことないからどんな感じなんだろうってドキドキします」

富樫「舞台のキャパも大きいですよね」

中島「そうですね。でもお客さんが観てくれはるのは大きい劇場でも小さい劇場でも一緒ですからね。隅々の人にまで自分の芝居が届いているのかなっていうのは舞台の上にいると分かると思うので。というかそんな余裕が最後に出てくるといいなって思ってます」

 劇場の中で演じるものと観ているものが一緒に何かを感じている感覚は、お互いに分かる??。心が動く一瞬をどこかで分かち合えることが大切なのではないか。全てに共感できてなくても、それもいい。
これこそ普段から様々な作品を観て極めた道とみたり。
中島さんの舞台、楽しみです。

中島「まあ、あんまり自分にプレッシャーかけずに頑張ろうと思うんですけどね。プレッシャーかけると寝ちゃうんで、台詞覚えずに(笑)」

富樫佳織の感客道

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