歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



題字・紫舟、インタビュー・文・富樫佳織、写真・TONY、構成・佐藤奈緒、撮影協力・銀座吉水

 覆いかぶさるようなビル街、携帯電話を持った人たちが忙しそうに行き交う往来とたった一枚の扉を隔てた歌舞伎の劇場には独特の空気が流れている。現代の銀座や大阪、博多の街から、扉を開ければ戦国時代や江戸時代へ。平日の昼あるいは夕方から鎧兜の武士たちを眺めることに違和感のない、違和感。そのおもしろさを予習なし、身構えなしで各界の著名人と探る、題して『感客道』も始まって1年を迎えました。

 記念すべき1周年の感客は、小説家の町田康さんです。『くっすん大黒』で文壇デビューし、独自の文章と世界観で読者の心をとらえて離さない現代日本を代表する作家です。文筆だけにとどまらず、ミュージシャン、詩人、俳優としても幅広く活躍なさっています。

「盛り上がってるなぁ…」
歌舞伎座の正面でお目にかかると、町田さんはまず開場を待つ大勢の観客を見てそうおっしゃいました。折しもその月は、昼の部が終わって20分足らずで夜の部が始まるというプログラム。劇場に入って場内を見渡した町田さんは感心したようにつぶやきました。

「この短い時間に劇場の準備を整える早業はすごい」
400年前から続く物語世界を、どのように楽しんでくださるのでしょうか。

1.「嘘」という約束の向こうに真実を探る
2.嘘に包まれたリアリティと戯れる
3.『気持ちよさ』を愉しむ
4.時間のパラドックスを楽しむ
5.長く残るもの。それは人の心を動かすもの

富樫佳織の感客道

バックナンバー