歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



 

歌舞伎はオトナの女のたしなみ?

 実は中島さんと私は同い年。なのでひとつ聞いてみたいことがありました。
それは「オトナの女性は和にハマる」とよく言われていること…。実際、歌舞伎の劇場には私たちと同年代の女性がたくさんいらしています。

中島「前、雑誌で『歌舞伎を知ってるのは30代後半の女性のたしなみ』っていう記事を読んでビックリしたことがありましたよ!東京は江戸文化を受け継いでるだけあって、たしなみっていうのを重視するんだなって」

富樫「関西は違うんですか?」

中島「関西はねえ、オトナになっても精神的にどれだけ若くいられるかとかが大事。テンション高いかとか」

富樫「オトナになってハマるって…『郵便配達夫の恋』の主人公・あかりじゃないけど、生き方を見直した勢いでそれまで観たことない歌舞伎とか観てみよう!って感じなのかな」

中島「女性はきっと何かにハマりたいんでしょうね。本当は自分にハマりたいんでしょうけど、普段の生活の中で何かを急に変えるのは大変ですからね。歌舞伎を観たり習い事したりって、自分磨きにもなりますよね」

富樫「日常と全く違う空間に身を置くと、気分変わりますしね」

中島「そう。だから女性が自分でコントロールできる日常の中の特別な体験として歌舞伎はいいのかもなって思いますよね。ひとつの異空間としてね。オペラよりは日常のもんやから、ちょっと自分だけのお洒落して、ってね」

 中島さんに、ご自身が舞台に立つことを通して伝えたいことを聞いてみました。
それは「人生は短いということ」。
何かをやれる時期は限られている。やろう、やろうと思っている間に時間はどんどん過ぎて行く。
生きていくことは、刹那の連続。
「今しか観られない舞台」のため劇場に幾度も足を運ぶことも、まさに刹那を楽しむことなのかもしれません。

富樫「ちなみに今日の演目で、雛鳥が川を挟んだ庵にいる久我之助に想いを伝えるシーン。彼を気づかせるとか、いろいろ腰元がやってくれて…いいですよね。うらやましい」

中島「そうですねぇ…。精一杯のフリはするけど、最終的には男の人から動いて欲しいっていう(笑)。それはやっぱりいつの時代も女子の基本ですね」

 変わらぬ心理を発見しハっとなるのも、感客道なのでした。

衣装協力(中島):
バーゼエヌオボ/イトキン/
03-3478-8088

中島知子さん出演「郵便配達夫の恋」上演スケジュール

【東京公演】
日程:2007年9月27日(木)?9月30日(日)
会場:東京グローブ座
お問合せ:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949

【水戸公演】
日程:2007年10月3日(水)
会場:水戸芸術館ACM劇場
お問合せ:(財)水戸市芸術振興財団 029-227-8123

【名古屋公演】
日程:2007年10月6日(土)
会場:名鉄ホール
お問合せ:メ?テレ 052-331-9966

【神戸公演】
日程:2007年10月7日(日)・8日(月)
会場:新神戸オリエンタル劇場
お問合せ:新神戸オリエンタル劇場 078-291-1100

【広島公演】
日程:2007年10月9日(火)
会場:アステールプラザ
お問合せ:テレビ新広島 082-253-1010

【福岡公演】
日程:2007年10月10日(水)
会場:大野城まどかぴあ大ホール
お問合せ:財団法人大野城市都市施設管理公社 092-586-4000


 

第一回 茂木健一郎さん

オセロ・中島知子

京都府出身。1993年にオセロを結成。「YOUたち」(日本テレビ)「恋するハニカミ!」(TBS)などテレビのバラエティー番組でレギュラーを多数持ちながら、2002年からは女優として活躍。幅広い世代から根強い人気を集め、映画、CMとラジオとマルチな活動を繰り広げている。

 

富樫佳織

放送作家。NHKで歌舞伎中継などの番組ディレクターを経て、放送作家に。

「世界一受けたい授業」「世界ふしぎ発見!」「世界遺産」などを手がける。中村勘三郎襲名を追ったドキュメンタリーの構成など、歌舞伎に関する番組も多数担当。

富樫佳織の感客道

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