土佐派&狩野派
とさは&かのうは
土佐派と狩野派は、宮中や幕府の御用絵師、絵所預(えどころあずかり)を勤めた日本画の二大流派です。日本古来の大和絵を発展させた土佐派と、中国風の画法に大和絵の技法を融合させた狩野派、両派の絵は、京都御所や各所寺院の襖絵、掛け軸などに今も多く残っています。
『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』は、現在では《土佐将監閑居の場》以外は滅多に上演されませんが、もともとは上・中・下の三段からなるお家騒動ものの浄瑠璃で、狩野派の基礎を築いた狩野派の二代目に当たる狩野元信の二百五十年忌にあわせ、近松門左衛門が書いたといわれています。元信が、土佐派の土佐光信の婿となり、絵所預になった史実を盛り込んでいます。
浮世又平は劇中で《土佐光起》という名をもらいますが、土佐光起というのも江戸時代初期の実在の人物。一時途絶えていた土佐派の絵所預を復活させた、土佐派中興の祖といわれています。(み)
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