一幕見

ひとまくみ

 歌舞伎の上演形態には、ひとつの演目を通して上演する「通し狂言」と、複数の演目の名場面や舞踊などを組み合せてバラエティに富んだ上演をする「見取り(みどり)狂言」とがありますが、いずれにせよ一公演がいくつかの「幕」に分かれており、その一幕だけを短時間・低料金で楽しめるのが「一幕見」で、これは歌舞伎ならではの観劇形態です。

 明治から昭和初期頃までは、いろいろな劇場に一幕見のシステムがありましたが、現在「一幕見席」が常設されているのは歌舞伎座(4階席)だけで、毎日一幕ごとに行列ができる人気席となっています。近年は他の劇場でも、客席の一部を入替え制にして、一幕見が出来るよう工夫をしています。(K)



解説

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