
小幡小平次
こはだこへいじ  
 
「幽霊が怖くってコハダが食えるか!」威勢のいい江戸っ子はこう言ったそうです。江戸時代も、幽霊話はさまざまありましたが、役者の幽霊で有名なのはこの小幡小平次。そこでこの幽霊の小幡と魚のコハダを引っ掛けて強がったのです。
「旅芝居に出ていた小幡小平次という役者が、印旛沼で金目当ての友人に殺害された。小平次の妻のもとへその知らせがいくが、小平次は幽霊になって帰ってきていた...」とか、「小平次が旅興行がうまくいかず自殺したが、その死を妻には知らせないように遺言していた。妻に問い詰められた人間が、その死を話そうとすると怪奇なことが起こった...」など、いろいろな話があったようですが、享保3年(1718)戯作者、山東京伝が『小幡小平次死霊物語 復讐奇談安積沼(こはだこへいじしりょうものがたり ふくしゅうきだんあさかのぬま)』を著しこれが読本として人気になったところから、小平次ものの芝居や講談が次々うまれ、江戸の人々には非常にポピュラーな幽霊となっていたようです。(み)
 
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