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愛之助が語る『GOEMON』

愛之助が語る『GOEMON』

 10月3日(金)から始まる大阪松竹座 「十月花形歌舞伎」に出演する片岡愛之助が、上演する『GOEMON』石川五右衛門について語りました。

 『GOEMON』は平成23(2011)年11月、徳島の大塚国際美術館システィーナ・ホールで初演された新作歌舞伎です。「システィーナ歌舞伎は和と洋のコラボレーションがテーマです。初めてご覧になる方にもわかりやすい主人公がいいと石川五右衛門に決まり、ローマのシスティーナ礼拝堂と同じ絵に覆われたホールの“洋”とどう歩み寄ったらいいか…、そこで、赤毛、スペイン人の父、フラメンコなどのモチーフが生まれました」。

システィーナ・ホールから大阪松竹座へ
 「普段の歌舞伎の五右衛門の衣裳で葛篭(つづら)抜けをしても、あのホールの絵をバックにすると負けてしまう」ため、歌舞伎では着ないような派手な色の衣裳、大きな赤毛の鬘(かつら)で葛篭から飛び出しました。「それが『GOEMON』のよさかな」と、前回の大阪松竹座での再演(平成25年2月)でも扮装はそのまま継承されました。

 さらに松竹座では、「客席で芝居がしたい、すべてのお客様によく見ていただきたい」と考え、宙乗りで3階のお客様に近づき、花道から大梯子を上って2階客席の目の前で見得をしたり、客席での大立廻りも行われました。「あの衣裳で2階客席に出るだけでも至難の業。また、大勢が出ることに意味があって、お客様はどこを見ていいかわからないのが面白いでしょう」と、にんまり。大梯子の上で刀を口にくわえて向きを変えるときは、「とにかくお客様に怪我のないように」と毎回必死だったそうです。

愛之助が語る『GOEMON』

 話題になったのはフラメンコシーンです。「歌舞伎とフラメンコの融合って新しいことのように思いましたが、フラメンコもスペインでは伝統芸能。和と洋の伝統芸能がぶつかり合ったからこそ、大きなパワーがぶつかり合い、爆発的な面白さが生まれたのだと思っています」。前回の再演に向けては、新春浅草歌舞伎の公演中に夜中過ぎまで稽古したそうです。「腰を落として移動するのは日本舞踊と同じなのですが、なにしろカウントを取るのが難しくて…」。

今井翼との共演
 「そのフラメンコ指導の佐藤浩希先生が教え子を紹介するよ、と連れてこられたのが今井翼さんだったんです。初対面でしたが、いつか一緒に舞台をやりたいねとお話していたところ、今回、念願かなって共演できることになりました」。スペインへフラメンコ修行に出かけたこともある今井には、カルデロン神父役で本格的なダンスシーンもたっぷり演じてもらうことになりました。

 「お互いプロなので、お客様にきちっとしたものをお見せできるような形で共演したいと思っています」。仕事にとてもまじめに取り組む今井だからこそ、そのよさが作品の中で生きる形での共演をと、愛之助は表情を引き締めました。

まずは劇場に足を運んでいただくことから
 「見取り狂言の歌舞伎公演をご覧になったお客様から、“あの続きはどうなるの”とよく聞かれます。通し上演なら話もわかりやすいのかなと、新作は通しにさせていただいています。『GOEMON』は歌舞伎としては難しいところがなく、退屈している間もなく終わります。理想は帰り際に“もう一回観たいね”と言ってもらえる芝居づくりです」。厳しい立廻りや新たな挑戦もすべてはそのため。「やろうと思えばできます。歌舞伎は気合です!」と頼もしい言葉が飛び出しました。

 わかりやすさを目指すだけでいいのかと言われることは承知で、「けれども、お客様に劇場へ来ていただかないことには話になりません。まずは、お客様が歌舞伎を観に来てくださる道筋をつけることができたらいいのでは、と考えています。万人がブラボーと称賛する芝居なんて恐らくないと思います」。初演の際も、こんなことをやっていいのかと「ものすごく心配でした」が、お客様が喜んでくださったからよかったのだと振り返ります。

 歌舞伎以外の舞台やテレビ出演も多いですが、「この人が歌舞伎もやるんだ、観に行ってみようと、歌舞伎を観たことのない方がたくさん来てくださったことが、なによりうれしかったですね。お客様の物差しは皆さんそれぞれ。舞台が開いてからびっくりするような反応をいただくこともあります。いろいろなことをお客様から教えていただいています」。2度、3度、観たくなる芝居に向けて『GOEMON』はさらなる魅力を放ちます。

 「十月花形歌舞伎」は10月3日(金)から27日(月)まで、大阪松竹座での上演。チケットは9月5日(金)より、チケットWeb松竹チケットホン松竹にて販売開始です。

2014年08月27日

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