獅童がシネマ歌舞伎『高野聖』先行上映会舞台挨拶で思いを語る

獅童が『高野聖』先行上映会舞台挨拶

 9月23日(水・祝)、MOVIX京都で《月イチ歌舞伎》『高野聖』先行上映会が開かれ、中村獅童が舞台挨拶を行いました。

 京都四條南座で上演中の新作歌舞伎『あらしのよるに』の終演後、会場に駆けつけた獅童は、4年前の撮影エピソードから話をスタート。「博多座で、一回公演の終演後、夜の9時、10時くらいから、シネマ歌舞伎の撮影のためにお客様のいない舞台で上演したんです。あのときは、夜中の3時、4時くらいまで撮影したんじゃないでしょうか」と話すと、会場からは驚きの声も上がりました。

こだわりの映像がつくる鏡花ワールド
 「終演後に撮影…、玉三郎さんは映像にこだわりが強いお方なので、編集もすごく時間をかけて丁寧におやりになったとうかがっています。一つの映画としても、十分に楽しんでいただける作品なのではないかと思います」。さらに、カメラアングルや客席の前にカメラを入れたりといった撮影秘話や、獅童が演じる修行僧の宗朝が山道を歩く姿をロケで撮影した話なども披露されました。

獅童が『高野聖』先行上映会舞台挨拶
 その玉三郎から獅童へは、「こういう心でやったらどうかなど、ヒントをいただきました。それを自分なりによく考えて演じて、ということだと思います。やはり、せりふの美しさ、泉鏡花先生の独特の世界観がありますから」。宗朝のせりふはあまり多くはありませんが、「せりふが少ない分、雰囲気や醸し出すものが求められますから、そのあたりが難しかったですね」。

皆さんに喜んでいただける作品を
 《月イチ歌舞伎》『高野聖』の上映初日は、南座の舞台の千穐楽。「これからも新しいことにチャレンジしつつ、もちろん古典作品も大切にして、皆さんに喜んでいただける作品づくりを心がけていきたい」と力強く語った獅童は、今も心に残る十八世勘三郎の言葉を挙げ、「獅童ならではの人生を歩んでいきたい」と結びました。

 最後に、作品のみどころを聞かれた獅童は、「魑魅魍魎の世界、独特の陰影のある世界観がみどころの一つだと思っています。映像にこだわり、そして編集にも時間をかけた作品なので、ぜひ、最後まで楽しんでいただければ」と語り、大きな拍手を浴びていました。

 26日(土)からの1週間は、同じ泉鏡花作の『海神別荘』と『高野聖』の2本が同時期に上映されます。『海神別荘』は玉三郎の美女と海老蔵の公子のはかない恋物語が、幻想的な世界に描き出され、『高野聖』とはまた違った味わいを残します。いずれも演出・出演の玉三郎が鏡花への思いを語る特別映像「美しき泉鏡花パビリオン」も観られ、まさに、玉三郎と泉鏡花の美の世界を堪能する1週間となりそうです。

《月イチ歌舞伎》『海神別荘』《月イチ歌舞伎》『高野聖』

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《月イチ歌舞伎》『海神別荘』『高野聖』
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■日程
2015年9月26日(土)~10月2日(金)
※『海神別荘』と『高野聖』は二本立て上映ではありません。

■場所
全国32館にて上映
上映館はこちら

■チケット
一般:2,100円(税込)
学生・小人:1,500円(税込)
お得な特別鑑賞3枚セット券:5400円(税込) ※9月25日(金)まで販売

『海神別荘』『高野聖』それぞれ1作品ごとにチケットが必要です。
上映館の窓口および、インターネットで、座席指定券をお求めください。
※特別興行につきサービスデー、レディースデーなど各種割引料金の設定はございません。

■イベント情報
 好評の解説付き上映、どちらも鑑賞料金のみで作品のみどころや歌舞伎の面白さなどが聞けるお得なイベントです。

MOVIX柏の葉 解説付き上映
日時:2015年9月26日(土)10:30の回(解説の後、『海神別荘』を上映)
場所:MOVIX柏の葉 04-7135-6900
    千葉県柏市若柴175 ららぽーと柏の葉4階
登壇者:仲野マリ氏(演劇・映画ライター)

なんばパークスシネマ「月イチ歌舞伎学園」
日時:2015年10月2日(金)12:10の回(解説の後、『海神別荘』を上映)
場所:なんばパークスシネマ 06-6643-3215
    大阪市浪速区難波中2-10-70 なんばパークス8階
登壇者:佐伯順子氏(同志社大学大学院 社会学研究科教授)

《月イチ歌舞伎》公式サイトはこちら
『海神別荘』の作品解説はこちら
『高野聖』の作品解説はこちら

2015/09/24